雑記 上手にやらないで下さい

僕は物事に取り組むとき、「上手にやろう」と考える傾向がある。

とびっきりの仕事をやろう。
他の人に迷惑をかけないようにやろう。
自分の最大値を叩きだそう。
さっさとやろう。

と、些細なことから大層なものまで、さまざまな思惑が頭をよぎるが、いずれも「上手くやろう」という意識が根底にはある。

前向きで微笑ましいが、注意が必要だ。

「上手くやろう」と考えると不幸になりやすい。

「下手にやれ」「手を抜け」と言うのではないが、実力以上の物を提供しようと張り切ると、多くの場合失敗する。

単純に、「実力以上の成果を出す」のは理不尽な注文だからだ。50kgの荷物を持ち上げるのが精一杯の人間に100kgの荷物を持たせても仕事は回らない。

理不尽を叶えるには、無理をしなければいけない。時間をたっぷり使うとか、報酬を弾むとか、家族を人質に取られるとか、そういうシチュエーションが必要だ。

そして、多くの場合に僕は無理ができないから、僕は注文を失敗する。

人には「自分は優れた人間である」と思いたい心があって、「優れた人間だから、優れた仕事ができるだろう」と判断してしまうことがある。

現実を知って「僕は優れてなかった!」と爆笑できればいいが、「僕は優れてない。いますぐ死んだ方が良い」とか後ろ向きに積極性を出したり、「僕は優れているけれど世界がおかしい」と、間違いを押し込もうとしたりする人もある。

仕事を上手にやれるようになるには、経験を積むのが合理的だ。

子どもが背伸びをしたって背はのびない。成長に必要な栄養をしっかり摂取して、成長するのを待つしかない。

上手にやれるよう、今は経験を摂取しよう。

自分の書いた文章を見返して首をひねっていたところ、そんなことを思ったのでした。では。

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