押し入れと柴犬
#押し入れと柴犬
山奥にある
ボロボロに朽ちた
古い日本家屋は
座敷童子の棲む所
押し入れの扉が
カタカタ揺れているよ
少し隙間が開いて
ガタガタ揺れているんだ
暗い隙間から
笑い声が聞こえる
僕は此の家の番犬だ
だから
僕は扉を見て
唸り吠えたんだ
勝手に入ったのは誰なのさ!
#押し入れと柴犬 ②
押し入れを睨み付けている
僕を見て
座敷童子が言ったんだ
「威嚇しなくてよい
冬眠から覚めたのだろう」と
座敷童子は
押し入れから掛け軸の入った箱を出す
「これが床の間に
飾れと騒いでいるだけだ」と
其の掛け軸を
床の間に飾ったんだ
押し入れと柴犬③
掛け軸から現れたのは
大きな白狐の絵
揶揄う様な笑みで
僕を見て
「我に吠えてたのは、お前かい?」
と、邪悪な雰囲気を纏い
問い掛けるから
恐くて僕は伏せてしまったんだ
座敷童子は
掛け軸の白狐に
「悪気は無いのだ。揶揄ってやるな」
と言って僕を撫でたんだ
たぶん……続く…かな?
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