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「ウィッシュ」感想

「映画館に映画を観に行く」という経験のほとんどは、映画館にディズニー映画を観に行くことだったと思う。

一時期、単身赴任していた父を追いかける形で後から母とこの地に引っ越してきた。
その父と知らない土地で、初めて行った映画館で観たのはトイストーリーだった。
長い長いエスカレーターで、たまたま後ろにいたお姉さんに「何観るの?ウルトラマン?」って聞かれたのを覚えている。
ウルトラマンなんか観ないよ、って思った。はにかんだだけだったけど。

それからも、家族で観に行ったり、友達と観に行ったり、一人で観に行ったり。
何回も観に行った映画もあった。
興奮しながら帰ったことも、逆にそうでもなかったなぁと思ったこともあった。
ポップコーンを抱えて帰り、しばらく家で消化しつつ、映画の余韻に浸りながら、別のディズニー映画を観たりもした。

100年という歴史の中、私の人生が重なってるのはそのうちのたった1/3だ。
その1/3の時間の中で、100年分の作品を観られる環境があったことを、私はありがたいことだなと思う。
リアルタイムで映画館に観に行ったトイストーリーみたいな作品もあれば、生まれる前に公開された映画はビデオが擦り切れるまで観ていた。
知らない土地に馴染めなかった私は、友達と遊ぶより家に帰ってビデオを観てたことの方が多かったと思う。
それでもなんとか今、社会で誰とも揉めずに、誰のことも殴らずにやっていけてるのは、ディズニーを始め、いろんな作品に心を育ててもらったからだと思う。
さすがに100年間の作品全部観たのかと言われれば観てはいない。オタクなのに大変不甲斐ない。
しかし少なからず私の人格形成期に一番多く触れた作品たちであることは間違いない。

そういう、自分の中にあるディズニーからもらった大事なものを、もう一度思い出させてくれるような作品だったと思う。

100周年おめでとう。
これからもどうぞ、私たちに夢と魔法の世界を見せてください。

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