ある日父親が倒れた・1回目

姉がサイパン旅行に行くと電話がきて(当時私は会社の近くに一人暮らし)、いない間は土日に実家に帰っててくれと言われて数日後。
その日は会社の後にバーでのバイトがあったから深夜1時に帰宅したら無言の留守電が入っていた。

当時は携帯電話などなく、留守電頼みだったから不安に思ったけど、翌日出社して帰ったら夜10時ぐらいに姉から電話が。
サイパン旅行のはずがどうしたんだ?とおもったら、昨日父親が脳梗塞で入院したと。
ついては見舞いに親戚が揃うから日曜日に来い、と。

その時点でパニックですよ。
なんですぐに知らせなかった!という怒りと、父親どうなるの、死ぬの?という不安しかない。
姉が言うには「あんたはパニック起こすから黙ってた」らしいんだけど、違うだろーーー!!

でも落ち着かないといけないので、翌日に社長に事情を話して、バイト先の店長にも話して、休みを貰う日が来るかもしれないことを了承してもらった。このへん面倒。

日曜日のお見舞いで見たICUにいる父親。親族だから入って話しかけても目をギョロギョロさせるばかりで話もできない。血圧230超え。
こんな父親、というか人間を見たことがないから、号泣するしかなく、薬で血圧下がらなかったら死ぬとまで言われた。

倒れた日の昼間に近くの病院で血圧を下げる薬を貰って飲んでたんだけど、脳梗塞は症状が出てから6時間が勝負で、病院に行った時点で救急車を呼ばないといけないボーダーラインだった。
今でもその近所の医者は許せない。

そして夜9時にとうとう座ることも出来なくなって、救急車でちょっと遠くの脳外科病院に運ばれ、検査をされICUにいたらしい。
外科的手術は遅すぎて出来なかった。

一緒に暮らしてたら、とか、かかりつけ医がヤブじゃなかったら、とか、凄い後悔と自己嫌悪に陥って、立ち直るまでに何日かかかり、次は介護の覚悟に何日かかかり。

仕事の都合で一人暮らしはまだやめられなかったから、定時に仕事が終わった時しかお見舞いに行けなくて、行っても何もできないし、もどかしいまま毎日を過ごした。

別に親御さんを大切に、なんて当たり前のことはどうでもいい。

親は突然病気になる。

これだけは覚悟して欲しい。

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