7年かけて外資系企業の日本支社から本社への異動を決めた話

この記事は何?

新卒で入社してからいままで7年弱ほどUSに異動したいと思っていた人のUS異動が決まるまで、いつ何をしてきたかの記録です。

最近は(特にソフトウェアエンジニアは)調べればUSへの異動に関する情報はある程度見つかりますが、人によって参考になるところとならないところがあると思います。そこに1つデータポイントを足すことでカバレッジを増やすことができればいいなと思います。

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あなたは誰?

Twitterは@Isa_rentacsです。今年で社会人7年目になります。

新卒でMicrosoftにSDEとして入社して、その後転職して現在はAmazonでApplied Scientist(AS)というタイトルで働いています。(実際の仕事としては機械学習エンジニアとほぼ同じだと思っています)
大学ではコンピュータネットワークのことを主にやっていました。

プライベートでは現在妻、2人の子供、犬と一緒に暮らしています。

MSでのインターンシップ~入社

外資系企業との関りは、修士1年の夏にMSでのインターンシップに参加したことから始まりました。
正直なところインターンに応募するまでは日本のMSに開発部署があるということすら知りませんでした。当時は本当にスキルに乏しい学生で、課題のプログラムやちょっとしたスクリプトは書けるけど競技プログラミングも開発のアルバイトもやったことがない、英語も特に話せる訳ではないという状態でした。毎朝のstand-upが英語だったので若干憂鬱だったのを覚えています。

ここでの経験は貴重で、様々な面で自由な働き方ができたり、大勢のカスタマーに使ってもらうプロダクトを作るのは楽しいし、こういう所で働きたいなぁと思うようになりました。

その後インターン先のチームからオファーをもらい、新卒でMSに入社しました。入社後はUSのチームと連絡を取りながら仕事をすることが多く、自然とそのうちUSで働いてみたいと思うようになりました。

1回目のチャレンジ - チーム解散

初めての異動のチャンスは入社して1年後でした。自分のチームが別のプロダクトの開発をすることになり、いままでUSのチームと一緒にやっていたことを引き継ぐタイミングでした。USのチームのマネージャーに連絡を取り、もしポジションが空いていたら異動させてくれないか、とメールで打診しました。

しかし"君はまだ経験とレベルが足りないから採れないよ"との返信をもらい1回目のチャレンジはあっけなく失敗に終わりました。レベル(職位)ってこういうときに重要なんだなぁと思いました。

2回目のチャレンジ - 出張のついでに

その後2年ぐらいは楽しく仕事をしていました。プロダクトが変わって学ぶことが多く、できることも少しずつ増えているような状態でした。    この間は比較的日本のチームで閉じた仕事をしていたこともあり、あまり異動のことは考えていませんでした。

その後またUSのチームと関わりのあるプロダクトに関わるようになり、何度かシアトルに出張にも行く機会がありました。2回目のチャレンジはこの際で、1つプロジェクトが終わる際にポジションがあったらインタビューを受けさせて欲しい、とお願いしたところOKを貰ったのでした。

この時は本当に準備不足だったなぁといまになって思うのですが、ホワイトボードコーディングで本当に単純なミスをしてしまい、それを理由に不採用を言い渡されました。面接官をやるようになった今ではこれはちょっと厳しいんじゃないかなぁとも思うのですが基準はそれぞれなので仕方ないですね。

今だったら直前にとにかくleetcode(当時はなかったと思いますが)なりなんなりしたと思います。賛否両論ありますがホワイトボードコーディングは必要ですし普段から練習しておくといいと思います。(一時的に集中してやろうとすると大変なので…)

3回目のチャレンジ - 失敗、初の転職

3回目は2回目から1年後ぐらいでした、いろいろな面で仕事に不満を抱えていて、社内で募集を掛けているいろんなチームにメールを出していました(が、あまり返事自体こなかったりします。悲しい。)

そんな折、元チームメイトでUSに異動した人の紹介であるチームにインタビューをしてもらえることになり、1回か2回インタビューをしてもらいました。この時は比較的うまくいって、このまま異動できたらいいなぁなどと思っていたのでした。しかし、そのプロセスの途中で”今は hiring freeze中だからプロセスを進めるのは少し待ってね"という連絡が。

そして待っている間に力試しと思って受けていたAmazonからオファーを出すとの連絡があり、これを受けるか待つかの選択を迫られました。

この時はかなり悩みました、USへ異動できる可能性があるものの待たなければならず不確実な方を追うか、異動はできないがもう確定しているポジションを取るか…

結局は力試しとはいえ少しは行く気があるから面接を受けたのだし、来てほしいと思ってくれているのだから受けよう、という判断で元チームメイトに謝ってAmazonに転職することに決めました。

4回目のチャレンジ(未遂) - 場所かスキルか

Amazonに転職後はレベルの関係で1回昇進したら異動先を探し始めようと思っていました。昨年その条件を満たしてさぁ異動先を探すぞ、と思った矢先に日本オフィスで機械学習のチームを作るけどSDEからASへのコンバートに興味はないか、と誘われました。

以前からMLはある程度独学で学んでいたものの、実際にはデータの収集やインフラの面から一人で実務経験を積むのは難しいと感じており、いいチャンスだと思ったので受けることにしました。ロールが変わるのでとりあえず最低1年、長くて2年程度、ASとして生きていけることを確かめるまでは異動については考えないことにしました。

5回目のチャレンジ - ようやく成功

そして今回、たまたま異動先を探すきっかけになる事態とNLPの分野のASを募集しているチームの告知がたまたま重なり、情報共有のミーティング、面接とトントン拍子で進んでオファーが出た、というのがここ1ヶ月程度のできごとです。

これまでのタイミングの合わなさを考えると、タイミングが合うとこんな簡単に物事が進むのだなぁと驚いています。

おわりに

USの場合はまずは"ビザを出してくれる会社に入る"というのが前提としてあるのですが、それ以外には面接対策のように自分でどうにかできることと、タイミングのように自分ではどうにもできないことがあります。ただ、確率が0でない限りチャレンジし続ければいつかは成功する時がきます。

また、情報収集に関しては自分自身もいままでに異動した人、異動してから日本に帰ってきた人などいろんな人に話を聞いてきました。今度は私が情報を提供する番だと思っているので、質問はDM等で遠慮なくどうぞ。

また、こちらの本

は、ほんの少しでも海外で働くことが選択肢に入るソフトウェアエンジニアには本当におすすめです。これを読んだことでより海外に行ってみたいという気持ちが強くなったのを覚えています。

自分の備忘録ということもあり事実を並べただけの記事ですが、誰かの参考になればうれしいです。


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