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【短編】虹を越えたその先で~病院にて~

こちらの記事は虹を越えたその先で~康介の事~の続きです

【短編】虹を越えたその先で~病院にて~

夜中の病院はとても静かで
薄暗い廊下で康介が出てくるのを待ってた。

時間も結構経って外が少し明るくなった頃

「やっぱりインフルでした…」と康介

「そっか、どうする?家送る?」

康介「どうせ今日休みで実家帰るつもりやったので一旦実家で寝ます」

「わかった道案内だけしてね送るわ」

康介の実家に着いたら
康介の母親が迎えに出てきてくれた。

康介の母「ほっくん!お久しぶりやね!康介が迷惑かけてごめんねー!!」

「お久しぶりです!いや全然大丈夫です!」

とっさに僕のあだ名を呼んだから
びっくりしたけど一旦調子を合わせた。

お久しぶり?会った事無くない?
けど康介体調悪いし一旦合わせとくか。

康介の母「最近ほっくんにお世話になってるって康介から聞いてたのよ」

「いや俺の方がお世話されてますよ、有難うございます!」

なんて笑い話をしながら、頭の中は???でいっぱいだった。

康介の母「ほっくん私の事わかってる?忘れてるんじゃない?」

もう無理があるだろうと判断して

「いやほんますみません!わからないです!笑」

よくよく聞いたら
康介にはお兄ちゃんが2人居て
その2人は僕が子供の頃によく遊んでもらってた兄弟だった。

「そんな事あります!?世間狭いですね!!!」

康介の母「ねー私も康介からほっくんの事聞いた時びっくりしたよー」

僕の義理の弟と康介が友達だった事も知った。

数日後

康介『体調よくなりましたほんまご迷惑おかけしてすみません』
『いや全然大丈夫よ』
康介『また近々でご飯行きたいです』
『いつでも良いよ』

まさかの家族ぐるみで知り合いだった事もあって
これ以降2人で月に数回呑みに行くようになった。

康介「聞いて下さい!彼女と喧嘩して…もう別れます!」

「それこないだも言うてたやろ?落ち着いて考えよ」

康介「いや!もう無理です!!」

「感情的になってるから一旦落ち着いてから判断した方が良きよ」

2日後

康介「星君!すみません!!!仲直りしましたー!!!」

なんて事が何度もあった。

てか急速で仲良くなったもんだから忘れてたけど

康介は僕がゲイだと言う事を知らない。

康介の先輩とかは知っているから
もし他の人から聞いちゃったら
康介はどう感じるんやろ…

悪意を持って伝える人もひょっとしたら…居る気もする。

え?気持ち悪い!ってなるよな…

あ、やばどうしよ

多分、俺の事
ザ!男の先輩!みたいな感じで思ってくれてるから
少なくともショックはショックよな…

あれ?でもこれ言って俺が不安を消したいだけなのか?
康介にまで何か背負わせちゃう事になるんじゃないの?
別に言わなくてもよくない?
けど他から知るよりは俺から言った方がよくない?

ダメだ…わからん…

次回虹を越えたその先で~カミングアウト~

お楽しみに!

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