2021年度介護報酬改定に向けて、今知っておくべき3つのこと
今回のポイント
・2021年度介護報酬改定に向けた議論が始まっています。
・3つのことを知っておけば介護報酬改定を先取りできます。
・細かい内容の話ではなく、大きな流れの話です。
2021年の介護報酬改定まで1年を切った今の時期に知っておいて欲しいことを3つ紹介します。
1つめ 改定のスケジュールを知っておこう
知っておいて欲しいことの1つめは、介護報酬改定のスケジュールです。図は、2020年3月16日の介護保険給付費分科会で示された2021年度介護報酬改定のスケジュールです。
少し補足すると、以下のようなスケジュールで進みます。
2020年3月 議論スタート(事前調査がメイン)
↓
2020年6~7月 骨太の方針(国の政策の骨子)の決定 ※
↓
2020年秋頃 具体的な方向性を議論
↓
2020年12月 基本的な考え方の整理・とりまとめ
2020年12月 国の来年度予算が決定(改定率が決定)※
↓
2021年1~2月 諮問・答申(介護報酬の具体的内容の承認)
↓
2021年3月 疑義解釈
↓
2021年4月 介護報酬改定
太文字の部分は、公表されたスケジュールには書いていないのですが、押さえておきたい大事なポイントです。
冒頭の図のスケジュールには、あくまで介護報酬改定の詳細を議論する介護保険給付費分科会のスケジュールが記載されています。
それとは別に、内閣が行うのが「骨太の方針(国の政策の骨子)の決定」と、「国の来年度予算が決定(改定率が決定)」です。
内閣が大きな方向性を決定して、細かい部分を介護保険給付費分科会で決めていくという役割分担になっています。
2つめ 7月の骨太の方針に注目しよう
骨太の方針は、政策の基本骨格とも言われています。
毎年6月に翌年の政策の基本骨子である骨太の方針を作り、この骨太の方針に従って、各省庁は翌年の政策を作り上げていきます。
今年は、新型コロナウイルスの影響で7月の決定になるようです。
介護報酬の方向性もこの骨太の方針に従うことになります。
少しだけ2019年の骨太の方針を紹介します。
まずは目次です。ところどころに医療介護に関する内容がちりばめられているのがわかるかと思います。
続いて、特に報酬改定に関連がある「第3章(2)①社会保障」の一部分を少しだけ抜粋します。
アウトカムの評価についてや、ICT活用、タスク・シフティング等、2020年の診療報酬改定で主要なテーマになったキーワードが盛りだくさんですね。
このように、報酬改定には、内閣が決定する骨太の方針の内容が大きく影響します。
ぜひ、骨太の方針にも注目して、介護報酬改定の内容を先取りしてみてください。
骨太の方針はページ数が多いので、「介護」や「介護報酬」などで文字検索して読むのが効率が良いかと思います。
3つめ 介護給付費分科会に注目しよう
介護給付費分科会とは、介護報酬改定の内容について議論を行なう分科会です。 有識者や業界団体の代表、自治体の代表などによって構成されています。
以下のURLで過去の議論の内容や、議論に使われた資料を見ることができます。
まさに介護報酬改定のど真ん中議論となっていますので、この議論の内容を見ておくことで介護報酬改定の内容を先取りできます。
2020年6月1日にも介護給付費分科会が開催されました。
たくさんの資料が掲載されているのですが、その中でもおすすめのものを2つピックアップします。
おすすめ資料1つめ ※クリックでリンク
2021年度の改定に向けては、以下の4つのテーマを議論することになっています。
・ 地域包括ケアシステムの推進
・ 自立支援・重度化防止の推進
・ 介護人材の確保・介護現場の革新
・ 制度の安定性・持続可能性の確保
4つのテーマのうちの「地域包括ケアシステムの推進」に関する資料です。
介護を取り巻く市場についてや、2018年介護報酬改定の結果、今後の議題などが記載されています。
資料の中で紹介されている、2025年以降は、「高齢者の急増」から「現役世代の急減」に局面が変化という資料も印象的でした。
おすすめ資料2つめ ※クリックでリンク
各介護サービスの概要、施設基準、現状をまとめた資料です。
非常に基本的な内容ですが、3年毎に改定されるため、都度、情報を整理しておくことは大切だと思いますし、新人向けの教材として使うこともできると思います。
参考までに訪問介護のページを少しだけ抜粋します。
おわりに
今回は、「2021年度介護報酬改定に向けて、今知っておくべき3つのこと」と題して、以下の事を紹介しました。
・介護報酬改定のスケジュール
・7月に決定する骨太の方針に注目しよう
・介護保険給付費分科会で、ど真ん中の議論がされています
ぜひ、3つのことを抑えて、2021年介護報酬改定を乗り越えていきましょう!
医療介護データ研究所では、日々、データに関すること、医療介護業界に関することをnoteやTwitterで発信しています。
ぜひフォローして、次回の情報もチェックしてみてください。
特に、火曜日は市場調査が出来るようになるnoteの更新を行っています。
こちらの記事もこのマガジンの一環です。ぜひ合わせてチェックしてみてください。
それではまた!
記事を読んでくださりありがとうございます。読んでいただけることが励みになります。もしサポートいただけましたら、研究活動に使わせていただきます。