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無機質なミニマルビートの極致/Connor Camburn - aulos [Careful Catalog]

Artist: Connor Camburn
Title: aulos –αυλός
Label: Careful Catalog
Genre: Minimal, Sound Art
Format: CD
Release: 2019

Track List
01. 001_1004001
02. 002_101804--2012003
03. 003_OSSO 320290


アメリカ・シカゴに拠点を置き活動するサウンドアーティストConnor Camburnによる、音響系レーベルCareful Cataogからリリースされたアルバム。

究極のミニマルミュージックとは何か?という問いがあったとして、その答えは持続音系か単音系のどちらかで割れるだろう。本作は単音系のミニマルの極致とも言える作品である。

音楽的な意味合いでのミニマルは、繰り返しという意味合いが主立っており、テクノミュージックなどのクラブミュージックには必要不可欠な要素である。この繰り返しの要素が、ある種の陶酔感を生み出しているのである。

では改めてミニマルとは何か?と問うたとき、ミニマルには最小限という意味合いがある。このアルバムが非常に驚異的なのは、徹底して無駄を削ぎ落した無機質なミニマルを体現している点である。

ピアノやシンセサイザーのように人間味のある情緒豊かな音はどこにもなく、ただただ理路整然と等間隔に並ぶ機械音や物音。使用する音数も絞り込んでおり、感情的な要素はなく、無機質かつ規則的に音世界が進行する。非常にシンプルであるが故に、一音一音の輪郭が際立ち、持続音とはまた違った没入感が強く、また中毒的である。一定の間隔で滴り落ちる水滴のように洗脳的な要素が強いとも言えるのかもしれない。持続音のように目の前が音に塗り潰されるのではなく、単音であるが故に、持続音と比較してリズミカルであり、音と音の隙間に何かを見出すのだろう。


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