せき🍉

◆関灯之介(「楽園」) ◆俳句のことなど ◆X: @seki_lamp ◆seki.l…

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◆関灯之介(「楽園」) ◆俳句のことなど ◆X: @seki_lamp ◆seki.lamp.haiku🕯gmail.com 🍉🇵🇸FreePalestine

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俳句四季新人賞贈呈式で話したこと

 先日、ホテルグランドヒル市ヶ谷で行われた東京四季出版の第21回七夕まつりに出席し、そこで行われた第12回俳句四季新人賞の贈呈式で受賞の言葉を述べさせていただきました。その内容について、文字にしておきたいことがあるのでここに記します。  受賞の言葉の最後で、私は、ガザで今なお続くイスラエルによるジェノサイドを非難しパレスチナに連帯することを、一人の俳句作家として表明しました。これまでも一人の人間として連帯し、プロテストに参加したりボイコットを続けたりしてきましたが、ジェノサ

    • 「楽園」第3巻第6号

      わたしの所属する結社「楽園」は隔月で結社誌が発行されるのですが、隔月なら何とか続くんじゃないかと思って今号から鑑賞を書くことにしました。「楽園」第3巻第6号から抄出して鑑賞します。 血だまりをホースに流す花屑と 堀田季何「おほなゐと」 動物の血か人間の血か、慣れた手つきであたり一面の血をホースで流していく。血の混じった流水に浮かぶ桜の花びらが鮮やか。しかし、淡々と仕事をこなす主体にとって「花屑」は血と一緒に流れていく程度のものでしかない。どこか大江健三郎「奇妙な仕事」を思わ

      • 「暗き河」七句抄-"Dark River" seven phrases extract, English translation

        暗き河 七句抄 "Dark River" seven phrases extract クリスマス・イヴ手のひらに木の匂ひ Christmas Eve  the smell of wood in my both palms 街灯に夜空のにぶる十二月 December the night sky is hazy with streetlamps 夕されば蚕の咀嚼音しきり Evening is quiet with the only sound of the silkworm

        • この度、第12回俳句四季新人賞をたまわりました。 「俳句四季」7月号に30句載っているので良ければお読みください。感想でも批評でも、ぜひお聞かせください。 https://tokyoshiki.co.jp/gekkan/haikushiki_202407/

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        俳句四季新人賞贈呈式で話したこと

        • 「楽園」第3巻第6号

        • 「暗き河」七句抄-"Dark River" seven phrases extract, English translation

        • この度、第12回俳句四季新人賞をたまわりました。 「俳句四季」7月号に30句載っているので良ければお読みください。感想でも批評でも、ぜひお聞かせください。 https://tokyoshiki.co.jp/gekkan/haikushiki_202407/

          「常夜灯」三十句

          第11回俳句四季新人賞に「常夜灯」という作品を応募し、予選で落選しました。 常夜灯 神の旅うす雲の端の千切れつつ 落し物よく拾ふ日や帰り花 スカートに脚生えてゐる寒さかな 歌声の火に伝はりぬ聖夜祭 まちまちに星を待ちをり街は冬 湯上りの匂ひして年暮れにけり 初声や畳おもての光めく 島かつて地続きなりき海鼠舟 朝まだき桔梗の芽の氷りをり 去り際の曖昧なりし猫の恋 山笑ふ手捻りにしてよき歪み 雨音に近き遠きや蓬餅 桜貝のせて従兄の子の手狭し 夕風は絹の手触りヒヤシンス 蜃気

          「常夜灯」三十句

          舘野まひろ『惑溺』

          『惑溺Ⅱ』が出る頃に、今さら『惑溺』の感想を書きます。第十回文フリ大阪(2022.9.25)で販売されていました(わたしは通販で購入しました)。発売から半年ちょっと、満を持して投稿するんだからきっと素晴らしい文章に違いない!……などとあまり期待せず、ふらっと読んでください。 1.俳句1.1.『秋草』掲載句 まず『秋草』掲載句から何句か引きます。 とても実感のある句。がま口を閉めるときの硬い感触、開けるときのごりっとする感触がよく伝わります。あの手ごたえが楽しくて、何回も

          舘野まひろ『惑溺』

          「揺れのこる」十五句

          第4回全国俳誌協会新人賞の落選作「揺れのこる」にすこし改作を加えた15句を公開します。鴇田智哉先生の6位票が入っておりました。 揺れのこる 三月や鳥のこゑして角砂糖 雲梯をすすむとき沈丁花の香 レコードの音のゆらぎや水温む あたたかし回転覗き絵の蝶は 濡れてゐるふらここに花降りにけり 花過に画塾閉づてふ葉書あり 愛鳥週間カーテンの影あかるくて かなしきものに手のひらと繭の白 水槽に触れてからだの遠くなる ビシソワーズ胸のあたりのすつとして あたらよの草

          「揺れのこる」十五句