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未来を見る日、現在を見る日

いま、私は《現在》を見ている。


年明けから3月までは、《未来》を見ていた。抱えているプロジェクトが終わる3月末を。年始の目標も「3月を生き延びる」だった。それ以降のことはほぼ白紙で、毎日はゴールにたどり着くためだけに向いていた。 

最近の日本では、緊急事態宣言のひとまずの区切りである5月7日あたりを「ゴール」と見ている人も多いかもしれない。うちも娘の学校再開は7日だ。1ヶ月という期間は、50m走みたいに無呼吸で駆け抜けるには少し長い。ちゃんと毎日の過ごし方を工夫して、リズムを作っていかないとつらくなるだろう。

ひとつの日付をゴールと定め、その《未来》を見据えることで、計画が立つ。終わりがあることは、「プロジェクト」の定義のひとつだ。ゴールを最善の形で迎えるために、やること/やらないことを定め、コミュニケーションを工夫する。

この期日が確実なものだとは、誰にも言えなさそうだ。もしかしたらそのまま「フェーズ2」になだれ込むかもしれない(展開は想像できる)けれど、ひとまずの区切りとして、フェーズ1をきっちり終わらせる意識でいよう。


そして、3月末を過ぎた私にはいま、大きなマイルストーンがない。

所属組織の期末=9月30日までに仕上げないといけない新しい仕事はあるが、まだ淡々と積み上げていく初期段階。リモートワーク夫婦+読書家の9歳で構成される我が家は、GWまでの暮らしも、わりと穏やかに過ぎそうだ。

長期計画もない。

ひとつの節目としていた2020年=35歳を迎えて、次の長期ビジョンは、2028年あたり=43歳=娘18歳の節目になる。ただまだ、大きなビジョンステートメントを掲げるまでは、イメージが詰まっていない。


シビアな期日がない今だからこそ、意識は《現在》に向く。


以前cotreeのコーチング初回で、

未来の「なりたい姿(Doing)」だけでなく、現在の「ありたい姿(Being)」を積み重ねていって、あとで振り返ると道ができていた、という進み方もいいんじゃない?

という助言を得た。これまでも「ありたい姿」に意識を向けながら走ってきたが、ここからしばらくは毎日毎日『きょうは、自分がありたい姿でいることができたか』を問い続けることになりそうだ。中長期の到達点が明確にない時ほど、チェックポイントは近くに、頻繁に訪れる。

社会が急変して不確実さがぐっと増した昨今、未来が描けなくて困っている人がいるかもしれない。

そんな時は、《現在》を見よう。《いま》を積み上げていくことぐらいしかできることがない。ということは、《いま》を積み上げることにこそ、全力で向き合えばいいんじゃないかな。



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