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INCLOSE PRINTER : 版画びとの見る世界

「版画」を専攻に選ぶ美大生って、相当面白いと思った。


版画作品は平面でありながら、紙や、木や、金属などの物質に干渉してつくるプロセスが、作品に大きな影響を及ぼす。素材面に由来するざらざらした不均一さに近づいて目を凝らすと、作品自体のディテールにももれなく意識がいく。

京芸=京都市立芸術大学 版画専攻のWebページでは、版画を『複数性間接性の美術一般』と定義する。「版」というワンクッションのかたちと、さまざまな技法。生産の手段として発達したPRINTINGを、あえて美術表現の道として選ぶのは、なぜなのか。

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昨日、元・崇仁小学校で開催中の展示 "INCLOSE PRINTER" を訪れた。京芸の版画専攻3回生6人による展覧会。廃校の教室は、広々として日差しもいい感じに入る。作品群と、6人のポートフォリオを見る。

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先日アートフェスBORDER!内臓の缶バッジを売っていた野波らるさん(銅版画。冒頭に埋め込んだInstagramで紹介されている人)がちょうど在廊していて、少しだけ話した。

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版画は、美術系専攻の中で最もデザインに近い領域だという。

たしかに、アナログとデジタルの境界/一点物と量産の境界/平面と立体の境界、いろんなものの界面にある表現領域なのかなと思った。多彩な技法から選んだり組み合わせたりする頭の使い方も、デザイナーになったらすごく捗る能力になりそう。

デザインの専門性を視野に入れながら、あえて幅を広げるために、美術・版画の道を選ぶという選択。なかなかに、挑戦的だ。ちなみに今うちのカフェクルーにもひとり、京芸版画の人がいて、彼女も近いことを話していた。


INCLOSE = 私たちを取り巻く身近なもの

彼女たちの作品がincloseなモチーフを選んでいる、ということもあるけれど、『版』を介して身の回りのさまざまな存在に関与していく、そのアプローチ自体が、ユニークな行為なんだなと感じた。

版画びと。これから応援していきたい。


京都駅からも近い崇仁小で開催されるINCLOSE PRINTER。会期は、今週末24日まで。



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