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1日の来室者8人と言う図書室は、果たしてこの高校に必要あるのか。


午後1時05分。高校の図書室。
昼休みは一人ぼっちにとって、とってもとっても長い。
 

私が通っている高校は、県内随一の部活の進学校であり、スポーツや音楽など様々な分野で、プロを目指す生徒たちもいる。 
私も例外ではなく、高校3年間を吹奏楽だけにつぎ込んできた。 


この世には文武両道という言葉があるが、ほんとに集団として文武両道を極めると言うのは不可能だ。(個人では別として)
それはうちの高校が証明している。


休日は朝早くから夜遅くまで練習。
平日は早朝に起床し朝練に参加、
もう授業の時間になる時には、、
おねむの時間だ。

当然テストの点数は、、想像してみよう笑
うちらはそれが普通だk...


.....違う。
今回は、そんなブラックな話をしたいんじゃないんだ。

うちの高校はそんな汗まみれの青春系高校。
当然、太陽のように輝くパーリーピーポー(生徒の8.5割)はスタディフレンズ(ご学友)とシャイニーデイズ(輝く日々)を送っているが、
私のようなマジでバッドなシャドウピーポーはこのさびれた図書室に集まる。


グラウンドは人工芝になっても、この図書室は時が止まったまま、という状況から、
おのずとこの学校の構図が見えてくることだろう。

生徒のほとんどが、読書より筋トレに、走り込みに勤しむ、バチボコの体育会系。



果たして、この誰も来ない図書室は必要あるのであろうか?

もしもこの図書室を潰して何か他のものにしたら。
お昼の間だけコンビニにしてしまえば、めちゃめちゃ売れるのではないか。
はたまた一回百円の昼寝ルーム?
ジム?
タピオカ?
プリクラ??

あらゆる欲にまみれている高校生(特にすべての青春を学校と家との間で行ううちの学校)は何を売っても繁盛しそうだ。


あ、駄目だわ。
一応、図書室ピーポーは私の他にもいるのだ。


学年に3人くらい。

毎日通い詰めているので嫌でもわかる。
売れないアイドルを追っかけ続けるファンの気持ちだ。
お互い話しかけることもないが、確かにシンパシーを感じ続けている。
図書室と言う聖域を共に守り続けているとも言えるだろう。
彼らの今後の昼休みの事も考えないと。


じゃあ、昼間だけその人たちでコンビニ店員やればいいんだ。1時間だから1日およそ千円。
一ヶ月20,000円。
いやまて最高すぎるぞ。

しかし繁盛してくると、シャイニーたちも店員に立候補してくる人が沢山いるはずだ。
 
そして、陰キャだけが金を稼いでる事に腹を立てたあるシャイニーが言う。


あの子たちだけずるーい。
陰キャの癖にノリノリに調子乗りやがって!


ぎゃ。。時を戻そう。

じゃあ、いっそみんなが来てくれるようになれば、いいのか。
図書室として繁盛すれば、部屋も綺麗に改装され、更に新たな人が来る。


昼寝もできる、筋トレもできる、整体の勉強もできる。
そうすれば、図書室に人が来る!
良いやん良いやん!
まあうちらは興味ないけどね。


え?
それじゃ元も子もないじゃん。
私達の聖域が。破壊される。


そうか。
この図書室ははるか昔から私達のような
稀に入り込んでしまうシャドウたちを優しく包み込んでくれてたんだ。
シャイニーを寄せ付けないように、わざとこんな見た目で。
破れた絨毯が、染みの沢山付いた天井が、急に愛らしく思えてきた。



反省の念でいっぱいだ。
ふと周りを見ると、シャドウたちが
おのおの本や眠りの世界へといざなわれている。


今日は、誰かに話しかけてみようかな。
珍しくそんな事を思った時、
昼休みを終わりを告げるチャイムが鳴った。

図書室よ。卒業までよろしく。

【おわり】

もうすぐ高校生活も終わりです。
早く卒業したいです。
この図書室も懐かしく思い出すときが来るのか...は不明です。

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