人それぞれ攻略法が大きくちがうゲーム『アーマードコア6』の秘密をさぐる
【1】はじめに
フロム・ソフトウェアから発売中のゲーム『アーマードコア6』
『アーマードコア6』とは、どんなゲームだったのでしょうか?
今回は、ゲーム性のみに注目してその秘密をさぐります。
(検証が浅いため、まちがったことを言う場合があります。
また筆者はライトなプレイヤーです。腕前はありません。
そのつもりで読んで頂けると幸いです。)
【2】機体ごとに大きく変化するゲームプレイ
明らかにしておきたいことがあります。
アーマードコア6とは、どんなゲームだったのか?
おそらくその答えはプレイヤーごとにまったく異なります。
(同じ体験をしても感じることはちがう、という話ではありません)
理由として、アセンブル(キャラクターカスタマイズ)があります。
カスタマイズというと普通できる事が増えていくものです。
しかし、アーマードコア6は何かを得たとき必ず何かを捨てます。
射程…防御力…速度…推力…スタッガー…
なにを重視するのか?
選択によって、機体(キャラクター)は変化します。
それによって重要度の高いゲームシステムが変わるのです。
ある人にとっては「クイックブーストで攻撃をかわすゲーム」に。
ある人にとっては「空中戦でロックオンから逃れ続けるゲーム」に。
ある人にとっては「スタッガーを活用して敵を黙らせ続けるゲーム」に。
ある人にとっては「小ジャンプ移動で回避機動をとりつづけるゲーム」に。
ある人にとっては「遠距離から安全に削りつづける」ゲームに。
防御だけでも多くのアプローチへと分かれます。攻撃も多彩です。
さらにミッションによっても各システムの重要度が変化していきます。
アセンブルは、長所とともに短所を得るものです。
A が「簡単」にできるようになれば、B は行うことすら「難しく」なります。
この取捨選択によって豊富なゲームプレイが生みだされているのです。
【3】敵の攻撃と対処法 その豊富さ
アーマードコア6において、敵の攻撃は
1.プレイヤーを視界にとらえ、ロックオンする。
2.ロックオン中のプレイヤーの動きにそった予測射撃をおこなう。
と、いうものになっています。
これに対し、プレイヤーは
・ロックオンされる前に視界から逃げる。
・着弾するまでに攻撃範囲から逃げる。
・スタッガーで発生前に潰す(あるいは倒しきる)。
と、大きくわけて3つの方法をとることができます。
この3つの方法はさらに枝分かれし、【1】で説明したような多彩なアプローチへと繋がります。
(これらの方法は、複合的に用いることも多いです)
具体的な例をあげます。
たとえば、クイックブースト性能が低い機体であった場合、
一定距離下での爆発・あるいは横に広い攻撃は避けられません。
避けられる攻撃に関してもタイミングが難しくなります。
しかし、クイックブースト性能が高い機体であった場合、
避けられます。
クイックブーストのタイミング自体も甘くなります。
長丁場のボス戦であっても、メインの回避手段として大活躍します。
ちなみにクイックブースト性能が低い機体はどう回避するのかというと、
このように敵の死角へと逃げ続ける。
あるいは、ジャンプなどの上下移動をまぜて移動する…
(敵の攻撃は、予測射撃に頼ったものが多いです。
そのため 機体速度や移動方向が急に変化すると予測射撃が外れます。
四脚の場合は、ホバリング中に左右に切り返しても回避できます。)
などの方法によって回避できます。
(他にもいろいろな方法があるかと思います)
すこし防御から話がぶれてしまいますが、
重装備を頼りに突撃。
スタッガーをうまく活用し、負ける前に勝つといったプレイもできます。
特徴的なのは「2つ3つ程度の方法さえできればいい」という点です。
選んだ方法を工夫して習熟していけばクリアできます。
プレイヤーは必要ないと思った方法を捨て去ることができるのです。
これによってプレイは枝分かれし、プレイヤーそれぞれにとってのゲーム性……アーマードコア6が生まれてゆきます。
【4】さらに個性豊かな攻撃方法
攻撃方法も多彩です。
正直、多すぎて話を丸投げしそうになってしまいます。
ですのでゲームプレイに大きな変化をもたらすものに絞って書き残します。
特に影響するのは、
・射程
・弾速(+攻撃範囲)
・火力(+スタッガー)
の3つだと思います。
まずは射程です。
長めであれば逃げるプレイに、短めであれば攻めるプレイになります。
併用しやすい回避方法も変わってきます。
つづいて弾速(+攻撃間隔)です。
これらが速く短いほど、攻撃を当てやすくなります。
弾速の遅いものは軸を合わせて回避しても射線に入るようにしたり、構えなどで止まったところに撃ち込むといった工夫が必要です。
さいごは火力(+スタッガー)です。
厳密には、瞬間火力か継続火力。どちらを重視するかです。
瞬間火力が高いほど、リロードやスタッガーの管理が重要になります。
継続火力が高いほど、安定した回避機動が重要になります。
例をあげてまとめていきます。
ショットガンやパイルバンカー、グレネード。
高火力武器は、射程もしくは弾速(+攻撃間隔)に難を抱えています。
そのため攻撃を当てるためには、先述した工夫が必要となります。
チャンスを作るまでは、ほぼ火力が出ません。
しかし、ひとたび暴れ出せば止まらない……
ハイリターンな快感が魅力的です。
ミサイルやライフル、レーザーキャノン。
低火力武器は、射程や弾速(+攻撃間隔)に優れている場合が多いです。
そのため、たいていの状況で火力を出し続けることができます。
しかし、一発逆転しづらいため安定したプレイを要求されます。
無理せず攻撃を当てられるため、回避機動をとりやすいです。
蝶のように舞っているだけで倒れ伏していく敵。
攻撃をきれいに回避する快感が魅力的です。
どの武器を扱うかによってプレイは大きく変化します。
その変化は、攻撃と防御の重要度をひっくり返してしまうほどなのです。
【5】おわりに
アーマードコア6の取捨選択は徹底されています。
アセンブルによって長所を得れば、必ず短所を得ます。
プレイヤーはそれぞれ重要だと思うものを伸ばし、それ以外を捨てます。
伸ばしたものは「簡単」になり、切り捨てたものが「難しく」なります。
プレイヤーが自分で選んだ「簡単」と「難しい」
これこそがアーマードコア6のゲーム性です。
どんなゲームだったのか? という問いの答えです。
「なにかを選んだ……あるいは捨てなければ得られない圧力だ」
プレイヤーに必ず『選ばせる』ゲーム。
それこそが隠された秘密…
『アーマードコア6』の正体なのかもしれません。
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