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2022年もっとも誤解されたゲーム『ヴァルキリーエリュシオン(VALKYRIE ELYSIUM)』ゲームレビュー

ヴァルキリーエリュシオン。
それは、2022年もっとも戦闘システムが誤解され酷評されてしまった作品。

ヴァルキリーエリュシオン。
それは、戦乙女が魔法と召喚で戦場をコントロールするゲーム。

【1】はじめにッ!!

steamレビューは賛否両論ッ!

ヴァルキリーエリュシオン。
2022年9月29日に発売されたこのゲームは、酷評の嵐にさらされた。
(steam版の発売は11月12日)

無双系っぽいのに敵がガードしてきてウザい
とか、敵の攻撃が理不尽とか、仲間を召喚するのがめんどくさい、とか。

しかし、これは誤解!非常にもったいないッ!
このゲーム、大手スクエニが共同開発したと思えないほど野心的で挑戦的
近年のアクションゲームとしては珍しい独自性の高いシステム。

気づいたからには書かねばなるまい。このゲームの面白さを…!!


【2】手ごわく、大勢いる敵キャラクターッ!!

このゲームは、主人公ヴァルキリーが連続攻撃をきめてダメージを稼ぐ!
(最後にくりだす技が重要だ。これだけ威力が極めて高い。)

しかし、そうやって剣を振りまくって敵を倒そうとすると……
ボコボコにされる!なぜか!?

たくさんいるのは、すべて敵です

そう、このゲームの敵……基本的に群れ!!
ヴァルキリーの連続攻撃は、途中で邪魔されてしまう。さらに敵はガードやステップを使い、時間稼ぎまで行う!もたついている間に囲まれる…!!

ならばッ!ならばと!
ソウルライクに慣れている熟練者たちなら「敵の攻撃を回避して生まれた隙を狙う」という戦法を試すかもしれない。しかし、これは有効ではないッ!!


このゲームの敵、最初に出会うザコですら連続攻撃をしてくるッ!

回避しようと思ったら必要ッ…!何回ものステップ!
とうぜん時間がかかるため、準備完了……次の敵の連続攻撃!
ヴァルキリーが反撃する隙なし!

圧倒的ッ!!数の力!!
手ごわい敵の大群を前に、ヴァルキリー……圧倒的に不利!!

しかし、ある!ヴァルキリーが状況を打開するための力!
アーツと呼ばれる強力な魔法エインフェリアという死せる英雄!
美麗な演出とともに繰りだされ……覆すッ!圧倒的な数の力を!!


【3】戦局を変える強力な魔法……アーツ!!

まずはアーツ!!
ド派手な魔法画面を覆いつくすほどの炎が煌めくッ!!

敵の弱点となるアーツを当てることで、敵はしばらく行動不能!!
とたんになくなる……数の不利!!
1対1の戦いならば……遅れはとらないッ!我らのヴァルキリーはッ!!

さらにヴァルキリー、アーツの使用中は無敵ッ!!
とっさの瞬間に使用することで、敵の攻撃をシャットダウン!
アーツによる反撃によって、囲まれてもあっという間に形勢逆転!!


アーツゲージ

無論!アーツは無制限に使えないッ!!
とうぜん必要になる……専用ゲージ!!使うと一気に消費されるが…


戦闘中でも回復する!ヴァルキリーが攻撃することでグングンと!!
アーツとはッ!有限にして無限の力なのだ!!


【4】ヴァルキリーが使役する不死身の戦士……エインフェリア!!

おかっぱ頭のサイファが好きだが、イーゴンおじさんも可愛くて好きだ。


死の先を征く英雄たち……ヴァルキリー、なんと使役可能!!
個性豊かな英雄たちを召喚…!!数十秒のあいだ戦わせるッ!!
彼らはもう死んでいるので倒される心配なし!まさに無敵の戦士ッ!!

ソウルゲージのつづく限り、無限に召喚可能ッ!!

大群に集中砲火されてもエインフェリア……二度目の死はないッ!
エインフェリアによって分断された敵チームの連携……瓦解ッ!!
またしてもなくなる…数の不利!!
エインフェリアが敵を引き受ける間、ヴァルキリー自由に行動可能ッ!!


【5】無限ループを維持するため立ち回りを工夫する その面白さッ!!


アーツゲージ(アーツに使用)
ソウルゲージ(エインフェリアの召喚に使用)

使えば消えていく……各種ゲージ……。
しかし、簡単に言えば敵を倒すことで……ゲージ!回復可能ッ!!

1.ゲージを消費して数の不利をなくす
2.連続攻撃で敵を倒してゲージを回復する

この無限ループで敵軍……壊滅ッ!!
しかし、簡単そうにみえて案外むずかしい……この無限ループ!!
求められる立ち回りの工夫…そこから生まれる面白さッ!!

アーツで敵を無力化し、数の不利をなくすッ!
エインフェリアに敵を引きつけてもらい、やはり数の不利をなくすッ!

どうすればより多くの敵にアーツを当てられるのかッ!
どの敵グループをエインフェリアに引き受けてもらうのかッ!
どう移動すれば、1対1の状況をつくりだせるのかッ!

戦場をコントロールして作り出す……圧倒的不利が覆された世界ッ!!

(ゲームは後半になるほど高速化していき、ゲージを消費する強力な行動をより短い間隔でぐるぐる循環させる戦いとなっていくッ!)

レビューなどではある……アーツやエインフェリアを出すのが面倒という意見……もちろん好みと合わなかったのかもしれない……
しかし、もったいないッ!

アーツとエインフェリアをどう使うかがこのゲームのキモ!
いちばん旨い部分! ひとつずつ喰ってみるべしッ!!

あなたの采配のひとつで…驚くほどアッサリと倒れていく!!
強敵の群れがッ!!!美しい魔法や英雄によってッ!!!!


【6】最初にえらぶべき難易度とはッ!?

最初にえらぶ難易度……おすすめするのはハードモード。
「なぜ…?ノーマルじゃないのか…?」いぶかしむのは当然ッ!必要なのは説明ッ!!

このゲーム、難易度調整の匠ッ!!
ハードモードでは、敵の体力が良い感じに上昇ッ!
簡単に倒せなくなった敵が与えてくれる面白さがある…!

ノーマルではいちどの連続攻撃で倒れていた敵2体。
しかし、ハードでは1体しか倒せないとしたら…?
先に倒すのはどの敵か…?
敵の足止めはしたほうがいいか?使うのはアーツか、エインフェリアか?

そう、高難易度を選んだプレイヤーには与えられる!
より多彩な選択肢がッ!! より豊かなゲームプレイがッ!!

それでも不安ならプレイしてみろ…序盤だけ。
単調すぎると感じたなら、その難易度はあなたに合っていないッ!!
ゲームを初めからやり直してでも選ぶべき……より高い難易度ッ!!
逆に頭がパンクしてしまうなら選んでみろ……より低い難易度!!

攻略に重要なのは戦略のひと工夫ッ!! 操作のうまさにあらず!
プレイヤーはあまり求められない……操作の反復練習!!
立ち回りを考えて工夫すれば……楽しい実戦だけで強くなれるッ!!

どこを工夫すればいいのかわからない時は、以下を考えるべしッ!!
(1)どの敵を優先して狙うか?
(2)どの攻撃手段を使うのか?
(3)いま立っている場所は適切か?
(4)どうやってゲージを回復するのか?


【7】ヴァルキリーエリュシオンの欠点……

だが、ここで思いだしてほしい。このゲーム、賛否両論……なぜ?
こうなったのには理由がある。
憶測でものを言うが聞いてほしい……このゲームの欠点……。

このゲームのチュートリアル、あまり親切ではない……。
次から次へと紹介される新システム……慣れる間もなく過ぎ去っていくチュートリアル……。アーツやエインフェリアのゲージが戦闘中でも十分に回復することに気づかずにまったく使わなかった人……おそらく多数……。

見た目が無双系やソウルライクに似ているのも、逆風……。
結果として……大勢のプレイヤーから誤解をもってうけとられた……。

プレイヤーたちは……無双系のように剣をひたすら振りつづける。
無双系とちがって敵の攻撃頻度が高いので妨害される……。

ソウルライクのようにひたすら回避を狙う。
ソウルライクとちがって回避しても敵は隙をみせない……。

プレイヤーが無双系・ソウルライクとしてこのゲームを遊んだとき、楽しさ……皆無。お約束破りの連発にハートは……怒り心頭……。
さらに多くのプレイヤーが選ぶであろうノーマルモードではなんだかんだで進めてしまうため、プレイングを修正していく機会……皆無。

また、細かい点でいくつか奇妙な仕様……有り。
コンティニューを押す……直前の手動セーブよりオートセーブを優先してしまう。まれにキャラクター同士が干渉して不可解な挙動をおこす……。
あまり問題にはならないが、すこし挫かれてしまう……楽しんでいる心。

まだある。
欠点というよりは注意点……ヴァルキリープロファイルとは完全に別作品。
ゲーム性も別だし、キャラクターのつながりも……皆無。
すこし調べると書いてあるが、いちおう注意喚起……。


【8】まとめッ!!

最後にッ!!
伝えたい、ヴァルキリーエリュシオンのめちゃくちゃクールなところッ!!

演出とゲーム性の両立……めちゃくちゃよくできてる!
ド派手にアーツやエインフェリアをくりだせば、ちゃんと有利になる戦況!!

手ごわい敵の群れにド派手な魔法をぶちこむ!
格好良くも愛らしい英雄を使役する!
最後には自分が華麗な連続技で敵を切り刻む!

この流れ……映像として美しいうえにゲームとして面白いッ!!

ファンタジー世界でかっこよく戦いたいと思っているあなたッ!
今すぐヴァルキリーエリュシオンをやろうッ!!

(まだまだ新作なのにセールで半額以下になったぞ!破格の値段だ!)


【9】オマケ:エリュシオンの戦闘システムを紐解く

図です。見づらくてごめんなさい。

上記の画像は、ヴァルキリーエリュシオンの戦闘を図にしたものです。
図の上側にいるのが敵、下にいるのが主人公ヴァルキリーです。
赤い(黄色い)矢印は、キャラクターが攻撃アクションをしていることを表しています。

敵の攻撃を受けたヴァルキリーは動けない

ヴァルキリーが攻撃を喰らってしまうとタイムラインはこうなります。
攻撃をうけると怯んでしまうため、しばらく身動きがとれません。

もちろんアクションゲームなので、ガードや回避ができます。
しかし、敵の攻撃には「予備動作が視認できないもの」「範囲/追尾/持続に優れた攻撃」があります。そのため、回避だけですべてを解決することがむずかしいです。
回避を行うためには、事前から間合い管理をしておく必要があります。避ける方向やタイミングも見極めなければなりません。これには長い時間がかかります。回避している間は、ヴァルキリーは他に何もできません


ヴァルキリーが先に攻撃する


なのでこうします。先に攻撃してしまうのです。
当然ですが、ヴァルキリーの攻撃を受けた敵は怯んで動けなります。さらにそのまま倒しきってしまえば、もう行動できません。この際、まとめて範囲攻撃できれば複数の敵をタイムラインから消せます。

アーツを使う

しかし、体力が高くて倒しきれない敵もいます
その場合は弱点となるアーツを使って気絶させます。
気絶させられた敵は、長時間タイムラインから消えます


エインフェリアが身代わりとなる

さらにエインフェリアを呼びます。
エインフェリアは敵を攻撃するか、攻撃されます
どちらになっても敵はヴァルキリーを狙えなくなるため、実質的にタイムラインから姿を消します。

こうしてみると単純ですが、実際のゲームには図解がありません。
「いま、どんな状況なのか」をプレイヤーは常に判断が必要です。そうしたうえで、未来によくないことが起きると思ったのなら事前に潰さなければいけません。プレイヤーがどんな選択肢をとるかでタイムラインは変化し続けます。効果的なアクションを続ければタイムラインはまっさらになりますが、そうでなければヴァルキリーの各種ゲージが枯れていきます。そうして通常攻撃しか選べなくなったとき、回避困難な攻撃を受けてヴァルキリーは倒れます(このとき、ジャスト回避などによってリソースを回復できれば復帰できる)。

以上がヴァルキリーエリュシオンの戦闘である……と感じます。
無双でもソウルライクでもない、といったのは上記の要素が強く関わっています。RPGなどではたびたびあった形ですが、アクションゲームにしてしまったものは近年では珍しいです。なんだか新鮮な感覚で楽しいです。

以上で追記を終わります。
あなたが楽しいゲームライフを過ごせますように。

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