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140字小説【間違ってなかった】

私は駆け出した。今しがた道を訪ねてきた青年を追いかけた。教えた道順の誤りに気づいたからだ。青年は覇気がなく目が虚ろだった。そこへきて嘘を教えられたとなれば気の毒だ。すでに青年の姿はなかった。しかし私はあることに気づき、これで良かったと思えた。青年が訪ねたのは自殺の名所だったから。

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