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140字小説【バツが消えた日】

妻と久しぶりに子供のことで会話した。ここ数年、会話がめっきりと減っていた。ラインだけで事足りている。たまにしか入らない妻の部屋には壁掛けカレンダーがある。几帳面な性格の妻は、終わった日付けにバツを付けていた。付け忘れている日もある。でもある日、それが僕と会話した日だと気づいた。

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