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140字小説【最後の晩餐】

「最後の晩餐になるね。締めはないから……」彼女に別れを告げると、彼女は深く頷き、寂しげにそう言った。手料理を頂けるのも今夜が最後。彼女が熱々の土鍋の蓋を開ける。所狭しと盛られたニラは真っ赤なキムチスープを浴びていた。「うっ…締めがないわけだ」薄れゆく僕の意識。目の前で倒れる彼女。

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