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140字小説

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削って削って、磨いて磨いて仕上げた140字小説です。
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2024年4月の記事一覧

140字小説【天才ロボット博士の闇】

天才ロボット博士と呼ばれた私には愛する妻子がいた。だが通り魔に襲われ二人を失った私は抜け…

こし・いたお
3か月前
1

140字小説【ルール】

ビルとビルの間に一人がやっと通れる細い抜け道があった。左へ一回折れた先にはルールに縛られ…

こし・いたお
3か月前
2

140字小説【タンポポ】

作家になる夢を追う夫。でも花を咲かせるどころか芽の出る気配もない。作家の世界はそんなに甘…

こし・いたお
3か月前
5

140字小説【学び舎】

「みんな集まって!講義を始めます。本日のお題は承認欲求に囚われないです」定年退職した僕は…

こし・いたお
3か月前
2

140字小説【食べないけどね】

おにぎりの具は無数にある。僕の中では梅干しが一番だ。流行病に苦しんだ時、病み上がりで最初…

こし・いたお
3か月前
2

140字小説【君は独り言が多い】

「ちょっと待って!君さ、以前から気になっていたんだけど、君は一人で過ごす時間が多いせいか…

こし・いたお
3か月前
2

140字小説【買取らないで…】

私は超ど田舎の買取専門店で働いている。馬鹿すぎる店長がなんでも買取ってしまうので今月も赤字だ。今日は本物と見間違えるほどリアルな熊の着ぐるみを買取ろうとしている。店長の話では変わった客で着ぐるみを着たまま売りにきたという。「売りたいならそれを脱いで!」急かす店長と後ずさりする私。

140字小説【脱ぎ捨てた仮面】

私は仮面を被って生きてきた。この仮面は息苦しい。私を守る為に被っていたはずの仮面にじわり…

こし・いたお
3か月前
2

140字小説【僕なら少年Aを止めれたのに】

「おはよ」朝からA君が刺すと引っ込むオモチャのナイフで僕の背中を突いた。A君はクラスの女子…

こし・いたお
3か月前
4

140字小説【天国への階段】

俺は犯罪を重ね法の裁きから逃げ続け生きてきた。この果てしなく続く階段を上れば目的地に辿り…

こし・いたお
3か月前
4

140字小説【とうとう寝た】

僕たち夫婦は還暦を迎えた。妻は超ショートスリーパーで、僕は妻の寝ている姿を一度も見たこと…

こし・いたお
3か月前
5

140字小説【使えない】

ミステリー作家志望の僕の家には決まり事がある。もしも大きな揺れに見舞われたら頑丈で家具が…

こし・いたお
3か月前
6

140字小説【愛の電池】

僕は迷子の振りをし初対面の女に駅への行き方を尋ねた。勇気を出さないと後悔すると思ったから…

こし・いたお
3か月前
5

140字小説【平和の代償】

戦争の続く殺伐とした世界に嫌気の差した僕は神に嘆願した。平和な村で永遠に年をとらずに暮らしたいと。お陰で争いとは無縁の環境に身を置くことができた。いつも同じ道を歩き、村を訪れる旅人に話しかけられると同じ台詞を返した。村から出ることも叶わない。神はゲームクリエイターと呼ばれていた。