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140字小説

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削って削って、磨いて磨いて仕上げた140字小説です。
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2023年8月の記事一覧

140字小説【それぞれの指定席】

僕は始発の新幹線に一番乗りした。しかし僕の指定席に白いワンピースを着た女性が座っている。…

こし・いたお
11か月前
5

140字小説【お婆ちゃんが遺してくれたもの】

「チャンスは幾度も訪れません。いつ来るかも分かりません。だからその時に羽ばたけるよう備え…

こし・いたお
11か月前
11

140字小説【生きる為の選択】

「一番重いのはあなたよね」「こんな時は肉質が重要だ。柔らかい方がいい」「筋肉の多い方が食…

こし・いたお
11か月前
3

140字小説【ファインダー越しに見えたもの】

若いカップルに声を掛けられた。「すみません、シャッター押してもらえますか?」「はーい」カ…

こし・いたお
11か月前
1

140字小説【熱帯夜の〇〇】

地球の温暖化は歯止めが効かず水不足は深刻さを増した。科学者たちが手遅れになると騒ぎ出して…

こし・いたお
11か月前
4

140字小説【答えがわかった】

「ほら…アガサクリスティの有名な作品タイトルありますよね」未来が見えるという占い師が僕の…

こし・いたお
11か月前
4

140字小説【タネあり】

「ねえ、冷蔵庫のブドウはタネなし?」と妻に聞かれ、僕はよく見ずに買ってきたので「食べてみれば分かるやろ」と、ぶっきらぼうに返事した。しばらく経ってから、妻が余ったご飯で握った梅干しお握りを僕にくれた。お腹の空いていた僕は勢いよく食らいつき、前歯が欠けた。「タネありか…」

140字小説【彼女のペット】

ぼくの彼女は自宅でペットを飼っている。犬、猫、兎、インコ、亀。彼女は色々な動物を飼いたい…

こし・いたお
11か月前
12

140字小説【繋がっていた】

ぼくが子ども時代に多用していたスキル。それは想像上の出来事をまるで自分が体験したかのよう…

こし・いたお
11か月前
4

140字小説【耐えている私】

主人が新しいペットを飼いたいと言っている。犬に猫、兎に亀にインコ、ペットたちが好き放題に…

こし・いたお
11か月前
4

140字小説【準備できていない】

「準備できたよ」遠方で一人暮らしを始めることになった娘がそう言った。荷物は引越し業者が預…

こし・いたお
11か月前
3

140字小説【彼女の好きなゲーム】

「脱出ゲームが好きなの」僕は彼女の言葉を思い出した。ここは廃墟となった病院の地下室。僕ら…

こし・いたお
11か月前
4

140字小説【PDCA】

「お前は使えないな、P、D、C、Aを回せって言ってるだろ?計画、実行、評価、改善だよ!ちっ!…

こし・いたお
11か月前
4

140字小説【私のAu】

「なあ、Auってなんだっけ?」隣の席の金田が私に聞いてきた。元素記号は語呂合わせで覚えるのが主流。でも私の覚え方は皆とは少し違っていて誰にも言えない。金田は給食で私が苦手なおかずを食べてくれたり、いじめられていた私の弟を救ってくれたりした。だから私はこう覚えた。金田は私の英雄。