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140字小説

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削って削って、磨いて磨いて仕上げた140字小説です。
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2023年7月の記事一覧

140字小説【運命の分岐点】

週末の夜、僕は音楽フェスが開かれている公園に、家族を連れ手ぶらでやって来た。するとホーム…

こし・いたお
11か月前
5

140字小説【君はやってない】

僕は強盗殺人の冤罪で死刑囚になった。最後に親友に会いたかった。何度も面会に来て僕を励まし…

こし・いたお
11か月前
3

140字小説【百年の恋も冷める】

「ねえ、山田くん、手紙書いていい?」夏休み前日、密かに想いを寄せる渡瀬さんが僕の耳元で囁…

こし・いたお
11か月前
4

140字小説【アール】

今流行りの眼鏡は高価だが優れた機能が備わっている。人間そっくりなロボットと人間を識別でき…

こし・いたお
11か月前
6

140字小説【デスゲーム】

最近ぼくはデスゲーム系のドラマや映画にハマっている。多額の負債で首が回らない人達が、賞金…

こし・いたお
11か月前
4

140字小説【明日になれば】

妻の携帯に通知が来た。「商品が発送されました。お届け予定日は・・・」最近ぼくは調子が悪い…

こし・いたお
11か月前
2

140字小説【私の才能】

末子として生まれた私。聡明で先見の明のある長女、商才があり若くして財を築いた次男。私には天賦の才など程遠い。しかし、病に倒れた母は、死に際に私の才能が一番好きだと呟いた。私は虐められたり、金を騙しとられたりして心を閉ざした。それでも生き抜いてきた。他人の心の痛みは誰よりもわかる。

140字小説【連れて行ってよ!】

「明日の今頃、ぼくは遥か遠くの街にいる」波止場での予期せぬ彼の告白に私は動揺した。たまに…

こし・いたお
11か月前
4

140字小説【変わらない】

駅の構内にあるベンチに座っていると、見覚えのある女性が話しかけてきた。「遠藤くんじゃない…

こし・いたお
11か月前
2

140字小説【遠吠え】

僕は作家の卵。僕には犬や狼の遠吠えを聞くのが好きな少し変わった彼女がいた。でも、彼女は僕…

こし・いたお
11か月前
2

140字小説【変わらぬもの】

不景気で仕事が減り、今月の家賃さえ払えるか心配だ。母の反対を押し切り、遠くの街へやって来…

5

140字小説【上限撤廃?】

「上限が撤廃された?そんなことが許されるのか?」「だからあの子にダメだと言ってやってよ!…

1

140字小説【届け!!】

「特技はありますか?」それは私がお見合いの時にした夫への質問。「肩だけは強いんです。遠投…

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140字小説【盗られていない?】

ぼくは最近、ストーカーに悩まされている。彼女の視線を気にするあまり、公園のベンチにカバンを置き忘れてしまった。走って戻り、中身を確認すると携帯も財布もある。ぼくはホッとした。しかし、帰宅し、玄関の前で鍵がないことに気付いた。困っていると、静かに扉が開いた。 「おかえり、待ってたよ」