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IRO LABで浮世絵をモチーフとするためのアレコレ

【作る前のこと】

実は、今年は浮世絵モチーフのものを作りたいなと考えていて
パブリックドメインの作品の中から、こっそり試作していました。
(パブリックドメイン=知的財産権が発生していないor消滅した状態)

私の作りたいものを実現する為にアクリルを素材として使いたく

1月にいまのレーザーカッターを使える工房に見学に行き、契約し、練習を積みました。
アクリルだけでなく、紙を加工したり、スタンプを作ってみたり。

コロナのあれこれで
希望のアクリル板が買えない等の状況が続きました
(ネットでいくつか買いましたが思っていた物と違ったり😢
それは練習用になりました)

6月になって、ようやくお目当てのアクリル板に出会えたところです。

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【デザインを考える】

浮世絵が昔から大好きだったハラダですが、和風な作品を作ったことはありませんでした。
好きではあるけど、作品に持ち込むことが正解かどうか見極められなかったからです。

IRO LABの評価として皆様からいただく「透明感」を損なわずに、どうやって浮世絵を作品に落とし込めるか…以前から、常に考えていました。

「浮世絵」「透明感」を融合する為に、何が必要か。
そして「これまでの作風を壊さない」ことも重要。
IRO LABの重要な「軽さ」も出すことも必須でした。

これらをすべて満たす為に「アクリル」という素材を使うことを決めたのです。

そして、浮世絵の中でも、IRO LABの理念にある「花鳥風月」の部分のみを作品に組み込んでいこうと考えました。絵の全体が好きだけど、自分の理念を曲げることはできなかったからです。

「軽さ」を出すために、更に中をくり抜くことで耳に負担のないイヤリングを作ることが出来ました。

デザインは、頭の中で出来ていました。
手前の荒波と、奥の富士山の距離感を出したかったのです。

それが「静と動」

まるで荒波に富士山が飲み込まれそうに見えるけれど、実はこんなにも離れているということを表したかったんです。

ここでも理念がありますので、舟に乗った人々は描きませんでした。2つを重ねると、遠くに富士山が。

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【素材についても考える】

普段、レジンを多く使っていますが、今回はレジンで作ると重くなってしまう・・・と思いました。IRO LABではレジン作品を多く制作していますが、「レジン作家」のつもりはありません。(時々言われるので)

理念に則って今回も軽さを重視しています。
IRO LABの理念はTOPページにも書いてありますのでご覧ください☺

デザインを考えた時に、ここで「アクリルを使う」という選択をしました。
ただ、やはり今までと違う制作方法なので、もしかしたらこれまでのお客様が違和感を感じてしまうのではないか…という不安はありました。

しかし、TwitterやInstagram、minneにて販売を開始したところ、皆さんが温かく迎え入れてくださったので、ほっと胸をなでおろしました…。
皆様、ありがとうございます!

富嶽三十六景 加工中

【浮世絵独特の凹凸を考える】

浮世絵を直接近くで見たことのある方にはお分かりいただけると思うのですが、浮世絵の「凹凸」。
版を馬簾で刷る際にできるものです。

あえて色付けずにこの凹凸だけで柄を表現する「空摺り」という技法もあります。私はこの「空摺り」がとても好きです…!

この凹凸のことは一旦おいて、最初は平面に描こうとしました。
出来上がったものを見た時の違和感…。
これで一時、作業中断。

他の皆さんの作品を見ると、凹凸がなくても素敵な物が沢山ありました。

でも、私は。
あの凹凸を知っていて、しかも好きなのにこれを出さないなんて。

凹凸を出せる、私の出来る技法は?これも答えは「アクリル」でした。
木材を使うこともできますが、やはり透明感というところが重要。
これも、アクリル板に加工することを選んだ要因のひとつです。

結果、「アクリルをこんなにきれいだと思ったことは無い」とのお声をいただいたり…悩みぬいた時期や、「もう無理かも」と思う時期を乗り越えた甲斐があったというもの。

直接私にご意見を伝えに来てくださった
お客様、クリエイター様、フォロワー様に本当に感謝です。

富嶽三十六景 指で持ってる


minneのみで限定販売中。

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𝐈𝐑𝐎 𝐋𝐀𝐁

「花鳥風月(美しい自然の景色)を色や素材で表現したい。」
「お洒落に痛みはつきもの、なんて言いたくない。」

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