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自作詩をいくつか、そのご。『鼓動』

以前とある投稿サイトにて書いた詩を、noteに投稿しようと思います。二日に一記事投稿を一週間程度続けてきましたが、一区切りとさせてもらいます。今日は音と人生に関する詩を三つほど。


『鼓動』

気付けばいつも僕らは生きている。

何となく不思議に思う。
どうして呼吸してるのだろう、どうやって呼吸してるのだろう。

腕立てやバク転、それらの運動はとても難しい。しかし、それと同じくらい疲れるであろう常に動く『生きる』ということ。

笑って、歩いて、すいこんで、立ち止まって、下を向いて、上を向いて、まばたきして。

今日もHeart Beatが耳に反響する。

誰かの鼓動が聞こえたなら、それは生きてる証。

自分の鼓動を聞かせられるなら、それは信頼の証。

君は今日も目を覚ます、明日も起きれる保証はないままに……しかし明日も同じなようで小刻みに変わる日常という時計の中で、それでも生きたい気持ちが先行する。

鼓動。
この心地いい鼓動。
君の鼓動。
僕の鼓動。

世界に響くその無数の願い、それにリズムを合わせよう、二人の鼓動。

だから今日も心地よく

とくっ

とくっ

とくっ

とくっ

とくっ

とくっ


『ライフ・イズ・ミュージック』

とくっ

とくっ

とくっ

時計は何時だろう。

かちっ

かちっ

かちっ

携帯にメール音が鳴る。

ぴぴっ

ぴぴっ

ぴぴっ

少し焦りながら布団から出る。

たたっ

たたっ

たたっ

テレビは今日も不安を煽る、かなしいニュースばかりで世界が憎い。

じりっ

じりっ

じりっ

でも怒りなんかに僕の大切な時間を費やしたくはない、携帯を開く。

ねえっ

そうっ

ふふっ

いろんな人のいろんな呼び声が、でもそこにたった一つの僕の好きなキー。

君の声は僕にとっての人生に近い。

人生ってどんな音なんだろう。
何が一番近いのだろう。

鼓動かな。
それとも優しいその声かな。


『完璧とは言えないけど気持ちいい日』

 気持ちいい陽。
 綺麗事じゃ、って泣き笑う今日だけど。

 僕はなんとなく世界を憂いていたが、たまにはなんとなく世界を愛してもいいんじゃないかと最近は思い始めた。

 近くに海があるからか漣の音がする。
 街の声は騒がしすぎて分からないけど、風の声はいつも聞こえる。
 鳥の声というよりは鳥の想い、しいて言えばこの島の想い、この世界の想い、この地球の想い、そして廻り回って急に些細なことになって、でもそれがすべてな君の想いが僕の心に響いた。
 これを共鳴と呼ぶのなら、これを共感と呼ぶのなら、自由にすればいい。

 今なら軽く笑えそうなのだ。
 難しく考えたがる僕らだが、今は、今日は、なんでも愛せそうで、なんでも許せそうなのだ。
 と言っても認められないこともある。それが現実で、切ないことなのだろう。
 例えば一昨日は仕事が忙しくて笑えなかった。例えば昨日は君とあまり喋れなくて笑えなかった。例えば今日は……いやいや、今日はまだ終わってないから断定などしない。
 今日が笑えれば明日も笑える。今日が笑えなくても明日は笑えるかもしれない。
 でも今分かることは結局ただ一つで、僕は太陽を浴びながら、青色の空の下で、君と笑うビジョンを追いかけ、早歩きで道を歩いてるに過ぎない。結局はそれに収束する、それに限る。そして。

「ただいま」
「おかえり」

 気持ちいい日。
 完璧とは言えないけど気持ちいい日。

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