見出し画像

【本編】初めての自然妊娠で子宮外妊娠。妊娠発覚した翌日、緊急手術で卵管を切除しました。【その参】

前回の続きです。
【プロローグ】
【その壱】
【その弐】

妊娠検査薬で陽性反応が出た翌日、子宮外妊娠と判明。
緊急手術で受精卵ごと右卵管を切除することになりました。
その手術から入院の記録です。

5/11 2:30
夜中に目がさめる。
薬が切れているようで、お腹が痛い。
なんとか這い出てトイレに行く。
今回は経血はあまりないようだ。
引き続き、足を引きずるようにゆっくり進む。最近の病院は、婦人科ということもあるのか夜中でも怖い雰囲気はないのだ。
トイレの前に新生児室があり、夜中でもお母さんがいたりもする。泣き声も聞こえる。
私は、それを見て、実は特に何も感じなかったりする。

子宮外妊娠だと確定する前、もし妊娠だったらこれからこれ以上の痛みを経験することになると思った。
正直、これ以上痛いの、、、無理ぽ、、、そう、思ったのだ。
多分陣痛とか出産の痛みにくらべたら屁でもない苦痛であろう。
だから、ママになった人たちは本当に凄いことを成し遂げた勇者たちであると、ただただ尊敬である。

部屋に戻り、ベッドに這い上がる。
また眠りに落ちる。
途中再度目が覚め、痛み止めを飲む。なんだか夢うつつでよく覚えていないが、きっと痛くなってしまったのだろう。

5/11 7:30
朝の体温と血圧を測る。
膀胱のあたりが痛いことを伝えてみる。
ちょうど、その上あたりにも穴が空いているため、それかも知れないね、と看護師さん。
今日婦人科の先生の退院前日の検診があるから、そこで聞いてみよう、ということになる。
痛み止めも追加で処方してもらうことにする。

5/11 8:00
朝食が運ばれてくる。
今日もベッド横の机で頑張ってみる。
昨日は朝はなかったので、はじめての病院での朝ごはんである。

パンがあたたかく、もちもちしているのが女子的には大変気分が大層アガる。
昨日もそうだが、トマトが赤々としておりジューシーなのだ。
普段はトマトが苦手なわたしでも美味しく頂ける。
場所柄、藤沢野菜かな?などと考える。
パンは美味しかったので半分残す。あとで食べようそうしよう。

5/11 8:35
食事も一区切りつき、椅子に座りながら机の上をすこし片付ける。
お掃除の方がいらっしゃる。
急いでベッドの上に上がって掃除が終わるのを待機する。
お腹は辛いが、強制的に動いた方が良いのだと言い聞かせる。

5/11 9:00
もうすぐ退院前の検診のため、トイレだけ済ませておくように伝えられる。
ついに、お腹から生えてる管を入れ抜く時が来てしまったか・・・。
念のため痛み止めを飲んでおく。

5/11 9:30
検診に呼ばれる。
痛み止めも効き、歩くのが大分楽だ。
エコーを確認する。全く痛くない。一昨日は唸るほどの痛みだったのが嘘のようだ。
傷口もみる。

おへその上に張っているテープを剥がす時、くすぐったくて大笑いしてしまう。
こしょばい!!でも、笑うといたい!!!うひひwwうふふひひひwwwみたいな感じだ。

『ちょっとチクっとしますよー。』
お腹の管がひっこぬかれる。
ぬるるるるんっ!って感じ。暖かい何かがちゅるりと引き抜かれ、すこし体液が垂れる。

消毒し、テープを貼り、ガーゼを貼り処置は完了だ。
合計四箇所に穴が空いており、それぞれの傷の大きさは2センチほどあり、その上には1センチ幅くらいのテープが一本、傷口を横断するように貼られているだけだ。
え、これだけで、大丈夫なんですか???!
戦々恐々とするわたし。ニコニコと、お風呂に入って、よく洗ってくださいねと言う看護師さん。
超怖いんですけど。。。。( ;∀;)

おしっこの時の膀胱痛は、カテーテルを通していた影響とのことだった。
すこし様子を見よう。

5/11 9:40
部屋に戻り、取り敢えず一休みしようとベッドに潜り込む。
お風呂の予約をしなければならないが、勇気が出ないのである。
超〜こわい。そのうえ、今履いているオムツ以外の下着はおととい履いていた男物のボクサーパンツしかないときたもんだ。

母に、下着やらなんやらを依頼しているが、今日は甥っ子の初節句の写真を撮りに行くようだ。
わたしのパンツはそのあとになるだろう。
いや、どんなに早くとも15時からの面会なのだ。パンツはしばらく我慢せねばならない。

5/11 10:30
担当看護師さんによる検温、血圧測定のお時間。
お腹も、管を抜いたあとの状態を確認する。異常はないようだ。
お風呂はタオル以外は自分で用意するよう伝えられる。
シャンプーは昨日パートナーが買ってきてくれたのだが、ボディソープがないため、階下のローソンへ買いに行かなければならない。

5/11 11:00
あと1時間ほどで昼食だろうか。
その前にローソンにボディソープを買いに行くか、悩み中である。
病院だから仕方ないとは思いつつも、ノーブラ、オムツ、お腹穴あきに、浴衣姿で人前に出て行くのはなかなかに勇気がいるものだ。

5/11 11:40
ついに重い腰をあげ、コンビニへ向かう。
痛み止めもちゃんと効いており、痛みはない。
今朝よりは歩く速度もいい感じだ。
普通の固形石鹸を購入する。
帰り道が不安になるが、なんとか病室に戻ることができた。
あとは昼食を摂り、その後お風呂としよう。

5/11 12:00
お昼だ!!
なんだか、お腹もきちんと空くようになってきた。
体が日に日に回復していくのが感じられて嬉しくなる。

お昼は中華風。
お米以外は完食できた。
お箸を握る手も、昨日よりは強くなったように感じる。
少しずつでも、きちんと回復しているようだ。

食後、少しまどろむことに。
うつらうつらと、13時半ごろまで気持ち良くお昼寝。

5/11 13:30
看護士さんがやってくる。
ご飯の回収だ。
その際に、シャワーを浴びたい旨を伝える。

シャワー室に案内される。
フェイスタオルとバスタオルは貸し出ししてもらえるが、シャンプーやボディソープは持ち出しだ。
散々悩んでいたパンツだが、諦めて初日に履いていた男物ボクサーパンツを履くことにした。
どうせナプキンつけちゃうし。

お腹の管を抜いてから貼っていたガーゼを剥がす。
四箇所にテープが貼ってあるだけのお腹を、きちんと見たのはこれが初めてな気がする。
おへその傷が一番大きい。カメラを入れるからか?
そのほか、下腹部三箇所は、位置も低めなので普段は下着に隠れそうだ。

シャワー室には、背もたれ付きの椅子があり、そこに座って使用するようだ。
わたしは椅子に座って、傷口にシャワーがダイレクトアタックするのが怖くて立ったまま使用することにする。
お腹が痛かったら諦めて座ったのかもしれない。

2日ぶりに温かいお湯で身を清める。
頭も洗い、スッキリする。
二日間お世話になったオムツに別れを告げ、ボクサーパンツを装着する。
オムツはゆとりがあり過ぎたので、このフィット感がなんとも安心だ。

5/11 15:00
パートナーから、仕事が休めなくなった旨連絡が入る。
代われる人が居ないそうだ。
わたしはかなり回復してきているし、なんならこれから引っ越しやらなんやらでお金もかかるのだから稼いでこーい!と送り出す。
明日、会える楽しみが増えるだけだ。

なんだか小腹が減ってしまい、朝とっておいたパンを食す。
温かくないともちもち感はさっぱりだ。

5/11 16:00
母がお見舞いに来る。
お願いしていた下着やら化粧水を持ってきてくれる。
手土産にお寿司を買ってきてくれた。
普段大食らいだからって、彼といい母といい、救援物資がわかりやすい。
母には昨日パートナーが買ってきてくれたおいなりさんを渡し、お寿司を受け取る。

時間もあることと、病室内であまり話すのも微妙に感じ、二人で病院内をプラプラする。
一階に入っているローソンは24時間営業だ。ウィンドウショッピングをする。
二階にはドトールと、軽食屋さんと図書コーナーがある。
一旦トイレに入ると、管が生えてたところから汁が出てきており、折角のボクサーパンツがしっとりしている。
あとで看護士さんに伝えよう。

5/11 18:00
夕食が運ばれてくる。
母はおいなりさんとお寿司を横で食べる。

おやつにパンを食べてしまったこともあり、そこそこ残してしまった。
お腹が空いたら、パートナーが買ってきてくれてるクッキーを食べようと思う。

5/11 18:20
母帰宅する。
明日退院だが、父も来るし彼も来るので、病み上がりのわたし一人ではフォローし切れないと泣きを入れる。
母も来てくれることになる。やったぜ。

母を送り出し、トイレに行く。
あ、また汁出てるや。あとで看護士さんに言わないと・・・。
歯磨きもする。これでいつでも眠れるってもんだ。

5/11 18:40
父がお見舞いに来てくれる
母と入れ違いだ。
取り敢えず、母にもらった寿司を渡す。
これで手元にナマモノは無くなった。一安心だ。

5/11 19:00
父が帰宅する。
身の回りの整理をしたり、のんびり過ごす。

5/11 20:00
看護士さんが来る。
検温、血圧測定だ。
あっ、忘れてた。すみません、汁出てるのでガーゼしてもらえますか?
と、お腹を見てもらう。ボクサーパンツどころか、浴衣まで滲み出ていた。
『えーっ!こんなんなって!もっと早く言ってくださいー!』焦る看護士さん。
いや、なんか全然きづかなくって、、言うのも忘れてて、、
『気付いてくださいー!言ってくださいー!お着替えもされますか?』
いや、もう明日退院なんでいいかなって、、大雑把なもので、、
『超苦笑い』
看護士さん、汁って、、、苦笑

って感じになってる。解せぬ。

ガーゼを貼ってもらい、ベッドで落ち着く。
あとは明日、退院するだけだ。


妊娠発覚から4日。

まさか手術をして、臓器を切り取る事になるだなんて予想だにしていなかった。

もともと妊娠がしづらいと言われ続けてきたこともあり、今のところは然程ショックを感じてはいないのだ。
わたしよりも、両親、パートナーの精神的ショックの方が大きいのではないかと感じたりもする。

特に彼は、ある意味文字通りキズモノにしてしまった、と思っているのではないだろうか。
そして両親も、娘をキズモノにされたと思っているのではないだろうか。

それは望むところではないのだ。
今回のことがあって、そんな風になって欲しくはない。
だが、わたしにできることは全てのことが必ず良い方向に進んでいくと信じることなのだろう。


わたしのもとに来るはずだった命は、なかなか前に進まない二人の背中を押すためにこんな形でやってきたのだろう。
力業だ。後先考えなしだ。つくづくわたしに似ている、勢いだけはある性格のようだ。
今回、自らも大変な思いをして、捨て身で頑張ってくれたのだ。
だから、どんな形にせよまた必ず出会えるのだ。
出会ったら考えなしだと文句を言ってやる。計画が雑だとお灸を据えてやる。わんぱく過ぎだとお説教してやる。
あとは、また来てくれてありがとうって伝えて、ぎゅーぎゅーしてお腹をさすってもらうんだ。

(必ずしも実子という形ではないだろう。)

まとめを書けたら書こうと思っています。

追記
まとめ作成しました。
【まとめ】

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?