【プロローグ】今日、妊娠検査薬で陽性が出た。
先日お出かけしていたら、下腹部が痛くて気持ち悪くて、寒くて寒くて仕方がなくなった。
この痛みは、卵巣あたりかなあ、、。と感じていたものの、オメデタとは予想だにしていなかった。
二十代のころ。
生理不順がひどく、婦人科では『多嚢胞性卵巣』といわれ、正常な排卵は行われていないと言われていた。
三十代に入り、感染症をうつされた。
発見がやや遅く、もしかしたら不妊になっているかもしれない。と医者に言われていた。
だから、自分は子供ができづらい体質なんだな。って思っていて、家庭環境もあり、自分の人生で出産子育ては無いものだと思い込んでいた。
下腹部痛は微弱ながら続き、生理にしてはやけに少ない出血も続いた。
寒気も治まることがない。
母に相談したら、オメデタの可能性はないの?と。
あ、思い当たる節はある。
あるけど、それとは別で、また婦人科系疾患なんじゃないか。
そう思いつつも今日、いそいそと検査薬を買いにいってきた。
検査するまでの逡巡
買ってきた。おしっこもしたい。
でも、なんだか怖いような気がして踏ん切りがつかないのだ。
この気持ちはなんなんだろうか。
それは、自分には妊娠の適性がないという考えからくる不安感だった。
もし、妊娠していたら。
というか、妊娠していてほしいな。と、自然と感じていた。
でもやっぱりしていなかったら、改めて自分の体では子供を授かれないと突きつけられる気がした。
それはなんだか、怖いものがあった。
もしオメデタでなかったとしたら、それはそれで婦人科通いが復活する。それも気が重かったのだ。
悩んでいても仕方がないもの
妊娠検査薬を買ってきてから、
お腹も空いてないのにご飯を食べてみたり、
おしっこが足りなかったらと言い訳して水分を取ってみたりして無駄に時間を過ごした。
こわいなあ。
妊娠していても、していなくても怖い。
でも、やるしかない。
勇気を出して
トイレに座り、検査薬を取り出す。
キャップを外し慎重におしっこをかける。
二つ付いている小窓両方に線が浮かび上がれば、陽性だ。
お尻丸出しで座ったまま、結果を見守る。
結果は陽性だった。
瞬間。喜びよりも不安が優った。
その不安は、自分の体に対するものだった。
医者に散々不妊の可能性を示唆されていた、こんな体で、お腹で、胎児は成長出来るのだろうか。
今だって、不正出血が続いているのだ。
微弱だが痛みもあるのだ。
わたしの体は、宿った命を育むことができるのか。
ただただ、そのことが不安でならなかった。
病院にて
夜勤帰りのパートナーを起こし、妊娠したかもしれないと伝えた。
とにかく、急いで病院に行ってくると伝え、家を出る。
検査するのが怖くて無駄に時間を浪費したため、診察時間ギリギリなのだ。
タクシーを捕まえて急行する。
問診票を書く。
妊娠していた場合は分娩希望なのか、堕胎希望なのかを問われる。
自信は無かったが、分娩希望に丸をつけた。
胎嚢は確認されなかった
エコーで内部を確認する。
胎嚢は確認されない。胎嚢が確認されて、初めて妊娠と呼ばれるそうだ。
出血もあるね、ちょっと心配ですね。
ドクターが呟く。
採尿し、病院側で妊娠の数値を確認することとなった。
市販の検査薬ではわからない、妊娠の濃度のようなものを算出し、現在の状況を正確に把握するようだ。
これからの可能性としては3つ。
①これから胎嚢が成長してくる可能性
②流産になる可能性(もしくはしている?)
③子宮外妊娠の可能性
この何れかになるだろう。とのことだ。
歩くと痛くなるお腹が怖くなる
病院を出て、パートナーと合流する。
少し話をしてから、夜勤に向かう彼を見送る。
いつもは家まで30分の道のりをお茶割片手にお散歩するが、今日はバスで帰ることにする。
お酒も飲まない。
バスを降りてからは5分ほどの歩きになる。
体に振動が来ないよう、ゆっくり、すり足のように移動する。
少しずつ下腹部がチクチクしてくる。
これは、おかしいんじゃないだろうか。
やっぱり、このまま何にもならずに消えてしまうのだろうか。
不安が襲う。
わたしの体は、本当にこどもの揺り籠になるのに相応しいのだろうか。
そればかりが頭をよぎる。
次回の病院が待ち遠しく、そして怖い
ドクターより、現状不安定な状況なので、次は週末に来るよう指示されたため、金曜日に予約を入れた。
おしっこからの数値も判明するだろう。
そこで、胎嚢が確認されればひとまずは安心、ということだろうか。
早く病院に行く日にならないだろうか。
不安でもあり、楽しみでもあるのだ。
父や母はどんな反応をするだろうか。
引き続き、記録を残していけたらと思っているので、読んでくださると嬉しく思います。
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5/10追記
翌日、事態が急変しました。
子宮外妊娠からの緊急手術。こちらも記録つけています。
よかったらご覧ください。
始めての自然妊娠で子宮外妊娠。妊娠発覚した翌日、緊急手術で卵管を切除しました。【その壱】
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