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春のキレイさを一心に語りたい

 今の時期が好きです。様々な種類の花が咲き、緑が色濃くなる季節です。一行表すとパッと簡単ですね。
 歩く先々で花壇がにぎわい、街路樹も生け垣も鮮やかなグリーンに染まっている景色は平凡な道路脇でさえ美しいものがあります。


 桜が終わればハナミズキ。その次はバラが人目を奪う中で、まだ緑色のアジサイが黙々と開花の準備をしています。ひとつの花が終わっても出番待ちのつぼみが支度中です。
 花壇や植木鉢は春咲きの幾種類もの花が組み合わされ、色・形とりどりに庭を飾っています。 

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 園芸種の鮮やかさには勝てないかもしれませんが、道端の花もコンクリートに彩りを添えています。
 今年もタンポポが咲けば、暖かくなった空気をますます実感できました。指先より小さな花をつけた植物は、健気さに口元がゆるみます。わずかな土で見事に花をつける様子、優しくお世話されたパンジーやバラとは違う力強さをも魅力的です。

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 特に好きなグリーンカラーの話もさせてください。
 電車に乗っていると、桜並木が眼下にあります。ソメイヨシノで、4月になると2列にならんだ華やかな木々が、本格的な春の訪れを告げているようです。
 見事な咲きっぷりを見せたあとは潔く散り、赤く目立つがく片を残しながら、若葉色の葉が素早く育ちます。

 そのあと連休明けの5月。足並み揃えた葉が一気に緑を濃くしていきます。この瞬間が好きなのです。電車から見える数秒の鮮やかさが毎朝楽しみで待ち構えてしまいます。
 目に飛び込む色に気持ちもパアッと明るくなります。新緑の柔らかな色合いから、夏を彩る力強い緑色へ変わる途中のあの色。咲き誇る満開の桜に負けないくらい、いえそれよりも楽しみな心踊る光景です。花がなくとも華がある色がお気に入りで、毎年期待しています。

 ソメイヨシノ以外の街路樹、低木含めた多くの木々も新しい芽を出して、新緑の色をかぶっています。柔らかな黄緑色があふれた風景は、普段よりずっと明るく輝いて見えるのです。

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 このように書くと、夢見がちにうつるかもしれません。恥ずかしくもあります。
 ですが生き物が好きで好きで限りない私の目線で見た世界です。この時期のキレイさを伝えたい熱にうかされて、言葉を尽くした結果です。草花がぐいっと胸を張る今の移ろいを聞いてほしくて書きました。

 大きく変わりない通り道でも、視点によっては美しくおもしろい風景として入り込んでくるものです。正直、毎時このような感受性で暮らせてはいません。無味乾燥に思うどころか、見ていない時もあります。
 けれど、日々の中に季節変化を見つけられると嬉しく感じます。景色がきらめくと「生き物が好きで良かったな」と、自分のこともちょっぴり誇らしくなり、いい日になります。

 少しでも、私の感じている春の華やかさが伝わったでしょうか?そうでしたら、幸いです。

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