見出し画像

葬列のようだ遅延の急行をひたすら俯き待つ2番線

うたの日に投稿した自作短歌から六首

【今日もつま先ほどに感じる】

ありふれた人生である靴下を今日は右から履いてみる朝

咳く音が聞こえる太いギザギザで描かれた吹き出しみたいな主張

有料のレジ袋分贅沢をして温暖化に仮を作る日

何回も開いた本を窓際の席で読むふりしている孤独

葬列のようだ遅延の急行をひたすら俯き待つ2番線

ついに傘買い替えぬまま六月が閉じてゆく夜雨はやまない