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私と営業3

敏腕商人に出会ったこと

たぶん大学生のころだったと思うのだけれど、敏腕の商人おじさんに出会ったことがある。
商品を買って家に帰って、しばらくたったあと、「あの人はすごかったんだ!!」と気づいたので、「出会った」というより、「出会っていた」と言った方が正確かもしれない。

私の実家はレストランをやっていて、数年前まで車で30分ほどの施設のイベントへ出張でケータリングをしていたことがあった。そのイベントに同じく出店していたのが、そのおじさんだった。
いつも同じ人が出しているわけではないので、一回こっきりの出会いだった。
おじさんはお茶を売っていた。いろいろうたい文句があったけれど、すごく特徴があると言うわけではなかった。
自分の店が暇なときに、イベント内を見て回っていて、そのおじさんとお話をした。そして、お茶を買った。
さらに家に帰って母と一緒にお茶のいいところを家族に話していた。

ここまでの一連の流れが、どうしたってすごい。
自然に買って、自然に宣伝していた。
そのお茶のことを家族に話している自分に、はたと気づいた瞬間、ぞくりとした。
あのおじさんはすごい。というか怖い。
なんというか、そのお茶のセールスポイントが、おじさんの言葉ではなく、まるで体内に埋め込まれたようにぽんぽんと浮かんで出てくるような感覚だった。確かにそのお茶はいいものだったとは思うけれど、それでもお茶だ。お茶は普通に体にいい。だけど、良いものを買ったというとても特別な満足感があった。

1や2を読んでくださったならば、私がすごくほだされやすい人間ではないのはお判りいただけるんじゃないかと思う。(いやいやそんなこともないよと言われるかもしれないが)
私も母も基本はケチだし、たとえお茶のひとつやふたつぽいとお金の出せるようなものだって、そんなにほいほい買ったりするタイプではない。
それでも、買っていたし、そもそも家に帰って話をするまで、自分がそのおじさんのスキルの手中にあったことに気づかなかったくらいだ。
嘘でしょ?騙されやすかっただけじゃないの?と思われるかもしれないが、そうであったとしても、私が実際に自分で体験したことには違いない。

結局そのおじさんと再会することはなかったし、定期購入もなかったので、それっきりになってしまったわけで、今ではお茶の効能のことなんか思い出せないくらいになっているのだけれど、だからこそことさらに、食べ物の後味のように、音の余韻のように、おじさんのすごさだけが強烈に頭に残っている。
今でも母と「あのおじさんは本当にすごかったね」とすぐに思い出せるほど。

おじさんがどんな喋りをしていたか、今ではよく思い出せない。
おじさんは特別ではなかった。目立つわけでも、印象に残るわけでもない。
でもきっとあの人は、なんだって売れる人だ。
道端の草だって売ってしまうだろう。
下手したら宗教のひとつでもたちあげられてしまうくらいだと思う。
考えて見たらとんでもなく難しいことを、相手に難しいことだと感じさせずに、さらりとできてしまうところもプロを感じる。
商品を引き立てる、最高のバックグランドになっている。

最初のほうに書いたけれど、営業が上手な人は、お客さんに「私が商品を選んだ」と思わせる。
自ら選んで買って、しかも買ったことに満足していて、さらには「こんな良いものを買ったのよ!」と宣伝したくなってしまう。
いやはや恐ろしい。なんてすごい力なんだろう。

そしてモノを「買う」「獲得する」という行為を通して、そのモノに付随する、満足感や幸福感を人に与えることができる。
世の中から詐欺がなくならないのも、騙される方がバカなのではなく、巧みな技術があるからだと思う。本当に、人を不幸にも幸せにもできてしまう、とても不思議な力だ。

営業と私

イラストレーターやデザイナーの営業スタイルは、基本的に実績をまとめ、それを相手に見てもらうこと。しかも、適材適所を判断するのが大切で、同じポートフォリオをひたすら送り続けるのも、あまり効果的ではないのではないだろうか。時代背景や流行、必要とされる傾向を研究して作り直したり、シミュレーションしたりするとなお良いと思う。
本当はそういう要望の違いも包括してしまえるような作品作りができるといいなと常々考えている。

ただ、私が今まで運良くやってこれたのは第三者の方からの推薦のおかげで、その説得力の強さをなんどもなんども感じてきた。

自薦よりも、他薦のほうが強い。

ありがたさと、ほんの少しの悲しさがひたひたと心の中に溜まっていく感じがする。(この悲しさは私の力不足に対するものが大きいだろう)
これは日本独特のものなのかもしれないけれど、それでも心理学的にも、第三者からの言及というのはとても強い力を持っているようだ。

今、とてつもなく時間がある。
幸いにも貯蓄があるので、そこまで慌ててもいないのだけれど、それでもやはり、影響は多分に出ていて、これから先の仕事のことを思うと不安で仕方がなくなる。
他薦でつながったいくつかの方々だって、みな同様に苦しい現状に立たされ、収入をきちんと確保していけるかどうかもわからない。
フリーランスなので、どうしてもひとつのことで稼がなくてはいけないわけではなく、たくさんの手段があるのは本当に良いことだしたくさん試してみる。展示で作品の販売もしているけれど、それはまたちょっと違うベクトルで、魅力が必要なのだと思う。
そういった中で、特に依頼される仕事において、必要とされる自分であり続けるにはどうしたらいいのだろうかと考えていることは多い。

冷静に自分を整理する時間を作る。
この仕事を続けて、ものの仕上がりとかはもちろん大切だけれど、納期や対応も買っていただいているように感じる。
こればかりは、試用してもらわないと実感してもらえないことだとは思うけれど、その良さも具体化していく必要があるのかもしれない。

自分にとって「商品」とは何なのか。納期や、やりとりなんかも含めて買っていただいている部分もあると思うので、モノを売るのとは違って結構曖昧だったりする。上手ければいい、安ければ良い、ただそれだけではない世界だというのも痛感してきた。
さらに、クライアントの先にエンドクライアント、ユーザーが存在するのも商品のセールスとは違うところだと思う。
確実な方法があるなら私だって知りたいし、いくらでも実践したいけれどそんなものはきっとなくて、営業の他にだってそもそも作品を作らないと始まらない部分も大きい。
営業を仕事にしているわけではないにせよ、フリーランスを続ける以上、営業とは一生並走していかなければな、思う。

お金を稼ぐことに対して陰湿な印象を持っている人も少なくない。
ただ人間として社会生活を生きていく上で、どうしたって経済と縁を切ることはできない。お金は、仕事への評価の数値化でもあると思う。というか、私がそう思ってがんばっていきたい。
そのやりとりを円滑にするための、営業。気持ちよく動かすための仕事。
分析して、自分を知っていく必要も、やり方を研究したり勉強したりするのはものすごく大切なことだろう。

渡邊仕事募集中

というわけで営業について長々と書いてみたものの締め方を迷ったので、
せっかくだし私の営業を簡単にしてみることにします。

渡邊現在、企業さま、個人の方に関わらず、仕事募集中です。
独立して11年になります。
イラスト、デザイン、講師業ともろもろやっていますが、もちろん文章の仕事もやってみたいです。
作家としてのイラストサンプルはこちら
https://creatorsbank.com/haruna/

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上記ウェブポートフォリオないし、noteのイラストも全て自分で描いています。
WEB上での作品販売も近く行う予定ですが、私のイラストを使えるようなお仕事の依頼もお待ちしています。

その他作家絵以外にも凡庸なラフから精密なものまでイラストもやデザイン、ロゴ制作なども行なっています。最近で一番気に入っているのは実家のレストラン用に描いたテイクアウトの料理イラストです。

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仕事用ポートフォリオのPDFも用意がありますので、気になる方は
ツイッターDMないし、calm.spring.867@gmail.com まで
ポートフォリオご希望の旨メールをいただければ最新版をお送りします。

全てのデータにおいて用途に併せたデジタル納品可能で、可能な範囲でベクターデータにも対応いたします。
主な使用ソフトは Adobe Photoshop / Illustrator 他など。

あと私のセールスポイントといえば、納期が厳守できることです。
独立以来、今まで一度も納期を遅らせたことはありません。
料金については内容に応じて相談させていただきます。
(近く個人の方向けに描き下ろし価格目安も提示したいです)

あと細かいことですがLINEスタンプも販売していますので
よろしければ使ってください!
黒猫スタンプ
https://line.me/S/sticker/11054090
花と女の子
https://line.me/S/sticker/3396383

こんな感じでしょうか....これはまた追ってひとつ仕事募集用の記事にしようと思いますが、ざっとまとめるとこんな感じになってしまう...。
なんというか、とても羅列だ...

まとめ:営業ができる人はほんとうにすごい。
お付き合いありがとうございました。
(完)

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