変わり者の魅力-Aちゃんの場合

私の周りにいる人たち、私がこれまでに出会った人たちは、変わり者が多いかもしれない。

そう気付かせたのは、夫の言葉だった。
夫婦の何気ない会話で昔話をしていた時、「彩の周りには面白い人が沢山いるよね。僕はそんな人たちと出会ったことがないよ。」

思わず、たしかに私がもし小説家だったら、この子をヒロインにしたストーリーを書くだろうな、あの先輩を登場させて...あの先生は物語に大事な悪役...なんて想像を巡らせた。

でも残念ながら、小説を書く才能には恵まれていないようだ。
私がこれまで出会った個性溢れる変わり者たちのことは、ここで少しずつ紹介してみようと思う。

最近よくLINEが送られてくるAちゃんは、数年前にあるオフ会で出会った。
30代前半のAちゃんは、婚活真っ只中。
港区の煌びやかな街に住んでいるが、その自宅の家賃は実家の親御さんが払っている。
特技は英語と自炊。中学から大学まで女子校に通い、海外留学をして英語の勉強を積んだ。現在は英語で接客の仕事をしている。

Aちゃんの面白いところは、LINEでの雰囲気と実際に会って話すときの印象がまるで違うことだ。

Aちゃんは普段からスマホを肌身離さず持ち、LINEのやりとりが大好きだそう。
大好きが故、毎回超即レス。そして英語が得意過ぎるが故なのか、主語がなかったり、時系列が分かりにくかったり、とにかくこちらの頭を混乱させる文章＆止まない通知。

攻めのマシンガンLINEで特に返信に困るのは自炊写真。
おおらかな性格が伝わる盛り付けや、お皿周りの散乱した様子。
基本的にはスルーかスタンプで返すが、連日写真が届くこともしばしば。

彼女のLINEは時に恐怖心を感じるが、たまに直接会うととても低姿勢、穏やかな様子で驚く。
「あれ？本当に同一人物かな？」といつもこちらがきょとんとしてしまう。