あなたはあなたのままでいていいというメッセージ
相手が「話したくない」というお話しを無理に聴こうとしていませんか?
傾聴で相手に寄り添いたいのであれば、「話したくない」という気持ちもそのまま受け容れます。
聴き出したくなっているのは、聴き手の私の方なんですね。
「その話はもういい…」
ある方の知人が亡くなった話を聴いていました。
その悲しみは深く、自分が出来なかったこと、やったことへの後悔がとても感じられました。
そんな中「会社で泣いてしまった」と。
私の身近な人だったので、「どこで泣いてしまったの?」などと状況を聴きたくなり質問しました。
(これは事柄への反応なので、傾聴ではありませんね^^;)
帰ってきた答えは「その話はもういい…」でした。
相手の話したくない気持ちをそのまま理解する
傾聴で相手に寄り添う時には、「その話はもういい…」と言われた時に、それ以上追求して聴き出そうとはしません。
聴きたくなっているのは聴き手の方。
聴き手の思いになってしまうのです。
そしてそう言われた私はもうそれ以上、泣いたことには触れませんでした。
悲しみや後悔などにはしっかりと寄り添う
相手が話してくれる悲しみ、そして自分が出来なかったことや、やってしまったことへの後悔にはしっかりと寄り添います。
立場もあり、その時にはそうせざるを得なかった、それしかできなかった。
相手が話しをしてくれることにはそうだったんだねと。
相手の気持ちをくり返しながら、そのまま理解しようとします。
全く同じ気持ちにはなることはできませんが、相手を心からわかろうとしながら聴いていきました。
私の中の気持ち
身近な人なので、なにか私にできることはないか、そればかりがグルグルしてきます。
少しでも相手の力になりたいという思いが。
それでも、私にできることはただただ聴くことだけ。
そんな状態のまま、傾聴40年の大師匠に私の思いを話せる機会に恵まれました。
大師匠からの言葉
「その話はもういい」と言われた時にそのまま相手の気持ちを受け容れて、それ以上追及しなかったことは
「あなたはあなたのままでいいというメッセージになります」
との言葉をいただきました。
それ以上でも以下でもなく、相手の気持ちをそのまま受け容れて、相手をわかろうとしたことが、
「あなたはあなたのままでいていい」
という相手へのメッセージになると。
今できることは
時薬(ときぐすり)ともいいますが、話したいと思える時が来るまで、そばにいて、たわいもない話をしていくことで、相手に「そばにいるからね」が伝わると。
それを聴き、私自身がちゃんと相手に寄り添えたんだと、自信にもなりました。
相手との安心安全な関係が出来ているということも嬉しく思えました。
相手の気持ちをそのまま受け容れるということが、どれほどコミュニケーションの中で大切かということがまた理解できた時間になりました。
まとめ
「その話はもういい」と言われた時に、自分の気持ちを抑えきれず、相手にどんどん質問を投げかけていませんか?
相手の話したくない気持ちを受け容れることは、
「あなたはあなたでいていいんだよ」というメッセージになります。
ついつい自分が知りたいという思いを相手にぶつけてしまいがちです。
知りたい気持ちを我慢するのではなく、
「私は今目の前の人とどのように関わりたいんだろう」
と自分に問いかけてみてください。
傾聴で相手の悲しみに寄り添いたいのであれば、自分の気持ちは横に置いてみてくださいね。
「あなたがあなたでいること、私が私でいること」をサポートするための活動に使わせていただきます。 自分を大切にする傾聴を全国に広めていきたいです。