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凍み大根

凍み(「しみ」と読む)大根とは北国、雪国の伝統的な保存食であり、ここ会津地域でもよく作られています。
凍み大根の煮物は、独特の歯ごたえ、味がじゅわっと沁みわたる感じが何とも滋味深く、お気に入りの一品であります。
今年初めて、私も作り方を教わり、凍み大根デビューをしました。
世間話のなかで教わったやり方を自分なりに試してみたなので、これが正当なやり方なのかというと、きっと作り方は地域によっても家庭によってもそれぞれで、これでいいのかまだ未知の部分もありますが、ひとまず今シーズンの備忘録ということで、ご紹介させてください。

軒先に干した初日の様子。
この景色が、この冬一番のお気に入りでした。


凍み大根とは

そもそも、凍み大根とはどんなものなのか。
私は凍る(こおる)という字が凍みる(しみる)とも読むというのを凍み大根よって知りました。
ちなみに、凍他に凍み餅や凍み豆腐などもあります。
厳しい折に外気にさらによって、夜は寒さで凍り、日中は溶けて水分が抜けることを繰り返し、1ヶ月ほどかけてからからに干されていきます。
干し上がった大根は保存食となり、地元の方の中には田植え作業の昼食に食べるのが習わしだったという方もいます。
寒さの厳しくなってくる小寒~大寒の頃にするといいと聞き、私は1月8日に作業をしました。
寒さが足りないと、カビが生えたりしてうまくいかないようです。

初トライ
凍み大根の煮物

作り方

  1. 大根を洗って、皮をむき、2センチほどの輪切りにします。地域によっては大きいサイズで干すところもあると聞きますが、私は、煮物にしやすいように大きいものは、さらに半分に切りました。

  2. 竹串が通るくらいに茹でます。ここで、茹ですぎてしまうと、干すときにズズッと割けて落ちてしまうので、固めがよいです。

  3. 茹で上がり、触れる温度になったら、大根にひもを通していきます。今は竹串で穴をあけ、ビニールひもを通す人が多いと聞きますが、思い立って茹で始めてからビニールひもがないことに気付き・・・昔風に、うちにあった稲藁を通しました。藁は根本がしっかりしているので、竹串を使わずとも、すっと通りました。

  4. 一本の藁の両端に大根をつけ、落ちないよう大根の下で結びます。

  5. 軒先の竿にぶら下げます。

  6. からっからになるまで、およそ一ヶ月以上でしょうか、干し続けます。

  7. 干しあがったら、湿気に気を付けて紙袋などに保存します。

  8. 食べるときは、水につけて戻します。半日から一晩くらいでしょうか。柔らかく戻すには時々揉むといいと聞きました。

大根を通した様子。


今回、私は藁の両端に大根をぶら下げるスタイルにしましたが、教わった方は、一つのひもに一つの大根をぶら下げ、ひもを輪っかにして結ぶと言っていました。
そうすると、強風・吹雪のなかでも、落ちる心配がないとのことで、なるほど~と思いました。
幸い落ちることはありませんでしたが、確かに心配になる日がありました。

干して5日後。
少し水分が抜けていますが、
まだまだじゅわっと水を含んでいます。


干すこと40日以上、からっからになり、お天気も良かったので、2月19日取り込みました。
干しきれたのかの見極めが難しいと感じましたが、ここ1週間ほどは様子が変わらなかったので、今回はここまでとしました。
少しカビが生えてしまったものもありましたが、概ね成功な気がしています。

信じられないくらい小さく縮まりました。
いかに大根は水分が多い野菜か
知った気がします。
ひもを通すための穴から「へそ大根」
と呼ぶ地域もあるそうです。
大根の繊維が何とも不思議で
美しいと感じました。


早速、今晩のおかずに水に戻しました。
干物あるあるですが、最初は小さく少なく見えても、戻すと大した量に・・・
私は今回、欲張って戻しすぎました。
このあと、煮物がうまくできるといいです。

あんなに干からびて小さかったのが、
徐々に水分を含んで大きくなってきます。


雪国の暮らしのための食文化は、知恵にあふれ奥深いと常々感じています。
少しずつ先人たちに学び、自分の暮らしに取り入れていきたいと思っています。




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