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春は山菜

あっという間に春も本番、山菜の季節がやってきました。
山菜採りのために移住したといっても過言ではないくらいに、私は山菜採りが好きです。
畑もですが、なんか自分の中にある根源的な何か、本能的な何かを呼び覚まされるような感覚がして、いてもたってもいられない気持ちになります。
採集民族の血が多いのかなという気がします。

集落内で採れるフキノトウなどは勝手に採らせていただいていますが(でも、最初の年は、ここで採っても大丈夫か確認しました)、こごみなど立派なのを採ろうと思うと、地元の方に山に連れて行っていただきます。
こごみは、道路の脇中に生い茂ってますが、やっぱり山の中のはすごーく立派で、美味しいです。
山は、集落の人たちによって維持管理されている場所。
中には勝手に山に入って山菜採りをする人もいるようですが、おっかなくてそんなことはできず、「山菜採り行くかー?」と声をかけてくださるのがありがたい限りです。

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こごみの群落池と案内人
斜面をずり落ちそうになりながら採りました


今年は雪が多く、春になってからもいまいち気温が上がらず、案内人の方曰く、まだ出てないかもしれないなんて話でしたが、思いのほか生長早く、目当ての場所の一つはすでに葉が開いていたりしていましたが、立派なこごみがわんさか。
夢中になって採りました。
今までは、まだクルンと丸まった芽だけを採っていましたが、今年は干しこごみ用に伸びてきたのも採ってきました。

生命力あふれるこごみ


山菜は、採った後の処理の方が大変。
採ったら採った分だけ、その処理に時間を取られます。
今まで採ったものをそのまま実家や友人知人などに送っていましたが、少しずつ後処理も覚えするようになってきました。
今回は、贈りものよう/自家消費/干す用に分け、ざっと外の沢水で洗うことまで、案内人の方に教わりながら行いました。

干す用のこごみ


そして、今年は干しこごみに初挑戦。
干しこごみは、とーっても手間のかかるゼンマイに負けず劣らず歯ごたえがあり、油炒めにすると絶品です。
ゼンマイは食べられるまでに、ワタとり始めものすごーく手間隙のかかる高級品。
今時期あちこちで、ゼンマイ揉みという作業をしていたり、干したりする姿が見られ、私もいつかゼンマイ揉みをできるようになりたいと憧れる思いがありますが、今はまだとてもそこまでする余力と準備がないので、まずは干しこごみです。

こちらは筵の上のゼンマイ


干しこごみの作り方

  1. 洗って、大きなお鍋で茹でる。4−5分ほどでしょうか。そのまま食べるときは私は硬めが好きなので2ー3分ですが、それよりしっかり茹でた方がいいと言われました。

  2. ザルにあげ、筵(むしろ)の上に広げて天日で干す。こっちの人は、藁で作った筵に広げていますが、うちにはなかったのでゴザを使いました。

  3. 時々転がすようにして、接地面を変え、完全に乾かす。おそらく転がすのに筵がいい仕事をするのだと思います。

  4. お天気が良ければ午後中干しておけば、ほぼ乾燥します。

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茹でると濃い緑色から柔らかい緑に
変わります


茹で上がったばかりの状態


からからに干された状態


私は、途中転がすのを怠り、からっからの部分とまだ乾いていない部分とあるような状態があり、おそらく上手に干せていないのですが、それでも一応完成。
はてさて、どんな歯応えに仕上がっているやら。
料理するときは、一晩水につけて戻してから使うそうです。
今時期は新鮮な山菜が山ほどあるので、山菜が久しぶりに恋しいなと思であろう夏以降頃、調理したいと思います。

こごみの群生地
(もう食べ時期を逃していますが・・・)


こごみの時期はあっという間に終わってしまい(それでも、標高や日当たりによる雪の溶け具合でこれが最後と今日も少し採りましたが)、これからワラビの時期に移行しつつあります。
その間、ウドやタラの芽、エラやミズなど本当にたくさんの山菜がバトンタッチしながら出てきます。

ウルイ(ギボウシ)は水の滴る岩場に
生えていました


毎年少しずつわかる山菜が増え、自分でも見つけられるようになり、そして処理や調理の仕方がわかるようになることが、楽しくて仕方ありません。
そして、新緑の美しい時期に沢の音を遠くに近くに感じながら、鳥の囀りを聞きながら、山の中にいること自体が本当に気持ちよく、生きた心地がするものです。

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