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蕎麦という相棒

蕎麦。
大好物です。
朝あまり食欲がない時も
二日酔いでなにも入らない時も
何が食べたいかわからない時も
大抵蕎麦ならば入ります。

蕎麦の思い出はひとつやふたつではなく
それもまた蕎麦好きに拍車をかけています。

まずは昔話。
ちょっとうろ覚えですが
和尚さんと小僧が蕎麦の種を蒔いて
蕎麦を食べるまでの話。
小僧が
「きっと秋には食べられますね!」
というと和尚さんが
「まだまだ分からん」
と一言。
芽が出てから
花が咲いてから
ようやく実がなってからも
ずっと和尚は「まだまだ分からん」の一点張り。
蕎麦がきを作って
「さすがにもう食べられるでしょう」
と小僧がいうと
「まだまだ分からん」
と和尚さん。
なるほど小僧はその蕎麦がきをこぼしてしまいました。
「だから言ったろう。まだまだ分からん」
というようなお話だったような。
このお話はずっと心に残っています。
今でも事あるごとに思い出しては
家に帰るまで
帰って鍵をかけるまでは
まだまだ分からん。
と考えていたり。

前の職場の食堂では
「きつねそば」をよく頼みました。
お金もない時分でしたし
100円台の蕎麦はありがたい相棒。
ほぼほぼ前日に大酒を飲んでましたから
しっかり染みるお汁もまたよかった。
お揚げの上に七味をかけて
少しずつ崩して食べ進めていくのが
夏も冬も格別のご馳走だった思い出。
食堂がない職場に異動になった時は
立ち食い蕎麦が大活躍でした。
今思い出しても美味しい。

そして嬉しい人との出会いもあります。
以前、出かけた先で蕎麦屋さんを見つけて
ぽっと入って天盛りとざるそばを頼んだ時
ビールの小と蕎麦焼酎を一緒に注文し
天ぷらをビールで
蕎麦焼酎でそばを
そして蕎麦湯で蕎麦焼酎を割って
ほっこりと楽しんだのち
お会計に向かうと
「いやぁ素敵な召し上がり方をされてらっしゃいましたね」
と声をかけてくれた店員さん。
ありがとう。あなたのおかげでもっとそばが好きになりました。

なにより祖父の思い出のお蕎麦屋さん。
ここにはいつか行ってみたいと思うのですが
最近その機会に恵まれたにもかかわらず
立ち寄ることができなかったので
次回は是非とも伺いたい場所です。

まだまだあるのですが
まぁこのあたりで。

あぁ楽しみ。
蕎麦のことを考えるだけで
あんなにお腹いっぱいだったのに
もう食べたくなってしまう。
勝手に親しみを持っているだけですが
なんだか蕎麦があるならば
どんなときも大丈夫な気がします。

今年の年越し蕎麦のことなど考えています。
いつも実家では「けんちん蕎麦」
けんちん汁に蕎麦をつけていましたので
毎年そうしてしまいますが
もっとたくさん準備しても面白いかも。
ワインに合わせてお蕎麦なんていうのも
なかなかいいなぁなどと。

さて今年はどんな年越し蕎麦になるだろう。
その前にもちょっと食べたい。
外に出て探してみなければ。
蕎麦のためならば頑張れる。

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