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本物(の変態)だ……!!|TL漫画『変態侯爵の理想の奥様』

※この作品はTL漫画です。

倒錯的なTLを書く作家さん、と聞いて(あまり聞かれないけど)思い浮かぶのは鳥下ビニールさんと秋野真珠さんだ。

鳥下ビニールさんはマッチョ系の男性が平伏す系、秋野真珠さんは変態的な趣味を持つヒーローみたいなものが多い。

どちらもTL小説、というか、女性が楽しむ男女のラブストーリーという範囲のギリギリのラインを攻めてる感じがある。

何がギリギリかって、「このヒーローカッコいい」と思える“ギリギリ”だ。

さて、秋野真珠さんの『変態侯爵の理想の奥様』もその“ギリギリ”のヒーローが登場する。 
 
主人公は子爵令嬢であるアンジェリーナ。
早くに母を亡くし、弟の養育、家宰の取り仕切りをしていた彼女は、気がつけば行き遅れになっていた。

今後の身の振り方を迷っている時に、侯爵であるデミオンとの見合いの話が舞い込んできた。

結婚した弟にいつまでも世話になるのも心苦しかったアンジェリーナは喜び、その話を受けるものの、相手を詳しく知れば知るほど疑念が湧いてくる。

「年配の貴族の後妻か 妾くらいしか 道はないと思っていたのだもの
お相手も初婚で 正妻として 望まれるなんて
すぐ飛びついても 仕方ないと思うの…」

『変態侯爵の理想の奥様』1巻

彼の屋敷に赴けば、結婚前から自分のことを“奥様”と呼ぶ使用人たち、子どものことしか話さない侯爵、手際よく最速で結婚を成立させようとする家令。

そして、結婚披露のパーティーではお祝いの言葉と一緒に、何故かお礼を言う彼の親族……。

違和感を抱えて終えた結婚式の翌朝。

アンジェリーナはその“違和感”の正体を知ることになる。

先に起きていた、デミオンと家令の声。
アンジェリーナの視界に入ってきたのは。

それは、遊び場として開放していた屋敷の庭園にいる子どもたちを見て“うっとり”としている夫の姿だった。

子供好きって…
声だけだから変なふうに聞こえてしまうだけよね?
あんなに蕩けた声
あの顔のいったい どこから…?

『変態侯爵の理想の奥様』1巻

早馬で王都から異例の速さで戻ってきた結婚証明書。
なぜ、侯爵が今まで独身だったのか。
なぜ、田舎の子爵令嬢である自分が選ばれたのか。
なぜ、彼の親族が自分にお礼を言ったのか。

驚きと、戸惑いが渦巻く頭の中で、アンジェリーナらすべての“なぜ”の答えを悟る。

謀られた!!

『変態侯爵の理想の奥様』1巻

変態侯爵とアンジェリーナの結婚生活はどうなるのか――?


執着系乙女文庫、ソーニャ文庫のコミカライズ

作画は国原。
BL、TL小説のイラストを担当されてる印象が強いですが、BL漫画、他作品(TL小説)のコミカライズもされています。
冒頭でお話した鳥下ビニールのTL小説もコミカライズされてます。


原作は秋野真珠。

TL小説作品が多い作家さんですが、以前はBL小説を執筆されていたようです。
個人的に、この方の作品では『シンデレラの姉上』が好きです。

出版社はイースト・プレス。
レーベルはSonyaコミックス。
既刊1巻。連載中。
まもなく、2巻が発売されます。


素敵なコラボレーション

兎にも角にも、秋野真珠さんのぶっとんだストーリーと、国原さんの美しい絵と、コミカルな間の取り方が楽しい作品です。

(色々と誤解もあるけど)子どもが好きな、変態侯爵であるデミオン。

困惑するアンジェリーナ。

そして、アンジェリーナに悟られる前に結婚をさせようと、手際よく(?)仕事をする家令・ファリノス。

この3人の動きが面白い。

変態的に子どもが好きなデミオンですが、性的な対象として子どもたちに近づいているわけではないんですね。
そして、大人の女性であるアンジェリーナを邪険に扱ったりしたりもしないんです。

悪い人ではない。

悪い人ではないんだけども。

前科がないからといって、これからも何もないとは限らない!!

と、みんなが、それぞれ新しい生活を、それぞれの思惑でしていますが。

これから、それがどう変わっていくのか。

続きは原作小説を読んでいるのですが、国原さんがどう描くのか、とても楽しみです。


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