見出し画像

オンラインで満たされないものは一体何なのか

こんにちは。「おしゃべりクラブひまわり」 やっちゃんです。みなさんは、オンラインでの会議や飲み会はお好きですか?私は割に、楽しめるほうです。ですが中には、どうしても抵抗のある方、いらっしゃいますよね?その本質がどこにあるのかを紐解くため、アンケートを行いました。今日はその結果をもとに、私が感じたことをお話しします。


【概要】
オンライン会議の普及はコロナの影響により加速された。オンライン飲み会、オンライン帰省、オンライン面会。オンラインでも人と繋がろうという呼びかけが一斉に動き出す一方、オンラインに抵抗感のある人は少なくない。結局オフラインには敵わない、会うことに意味がありオンラインには意味がない、そのような意見の本質はどこにあるのか。オンラインに足りないものは何なのかを考察するため、自由回答でのアンケートを行った。

【対象】
FacebookとTwitterの呼びかけに回答してくださった24名
(20代~60代男性14名 20代~80代女性10名)

【実施日】
2021年4月24日~2021年5月4日

【質問文】
①オンラインで満たされないもの
②それをオンラインで実現するのに必要なもの
あなたの考えを教えてください。
認知症の方がオンラインだと家族を判別できなかったこともありました。
今ここを深掘りすることが、これからシニアのオンラインを考えていくのに絶対に必要になると思うのです。行政も、企業も、絶対にいつか「オンラインで満たされないもの」に辿りつきます。そして年齢が上がるほどオンラインで満たされないものは多くなっているような気がするのです。ですが私もそれが何かがわからず、うやむやなままやっています。オンラインで満たされないものを言葉で説明できるようにすることで、できることがあると思うのです。ご協力をお願いいたします。

【回答及び考察】

①オンラインで満たされないもの
①-1<回答>
温度 8人
リアリティ 4人
空気感 3人
距離感 3人
複数人同時の会話 2人
雑談できない 2人
オーラ、ひそひそ話、皮膚感覚、こころ、セロトニン、時間を忘れること 各1
①-2<考察>
オンラインで伝わるのは「目に見えるものだけ」という認識の方が多いことが伺えました。また、複数の音声を拾ったり、隣りの人との位置関係など、現在のWeb会議ツールの技術的弱点を指摘する声も聞けました。温度という回答が一番多くあり、その中には温もりという表現も見られましたが、例えば画面から36度の空気が放出されれば満たされるのかというと決してそうではありません。温度という言葉の回答の中には、温度ではないものが含まれているということになります。それが何か、もう一歩掘り下げて考えてみる必要があるでしょう。興味深いのは、リアリティや、空気感、距離感、オーラ、といったものは全て、空気の流れに関係しているのではないかという点です。画面越しでは空気の移動がありません。複数人の同時会話、距離による音声の大小や、空気の流れ、これら全てを再現することは技術的にはすぐにでも可能であり、近い将来、オンラインサービスに欠かせないものとなる日がくると思われます。

②それをオンラインで実現するのに必要なもの
②-1<回答>
オンラインでは実現できない 2人
人生の中でのオンライン体験 2人
等身大の大きさ 2人
複数人同時の会話 2人
オフラインで遊んでいたものをオンラインに取り入れる 2人
音、遅延の無い通信環境、事前に手紙、VR/AR 各1
②-2<考察>
質問文で触れた、認知症の方がスマホやタブレット画面の中の人を認識できない事例ですが、テレビに繋ぐとわかった!という方が4名もいらっしゃいました。認知症でなくとも、大きさの絶対値を人間に近づけることは、よりオンラインを楽しむテクニックのひとつなのかもしれません。また、背景を皆で揃えてみる、丸めたタオルを○○さん行くわよと投げたフリ、受け取るフリをする、というような「工夫」により、オフラインで実現されていたことをオンラインに導入することで空間の共有をプラスして、オンラインを楽しんでいる方もいらっしゃいました。オフラインを取り入れる方法として興味深かったのは、オンライン面会でも、昔家族で実際に撮った写真の話をするというもの。オンラインであっても、一緒にオフラインだった経験を思い出すことで、オンラインで満たされないものをカバーできる可能性があるようです。
また、技術で補填できる、通信環境やVRなどは、オンラインとオフラインの間を埋めるという視点からご回答いただいていたことがわかりました。同じ視点から音に着目した場合、音というのはそもそも空気があるから伝わるもの。デジタル変換を挟むことで、耳の良い方には違和感が生まれるようです。これも、空気の流れを再現するところでの改善が臨まれる部分です。
このように、オンラインをオフラインに近づける方法として、大きく分けて二つのアプローチがありそうです。大きさの絶対値への留意、オフラインの経験をオンラインに組み込む、といった「工夫」の部分と、通信速度やVR、音声といった「技術」の部分です。両方の改善を実現することで、オンラインを楽しむ人口が増えることを期待します。しかしながら、face to faceに勝るものなし、という記述が散見するのも事実です。そこで注目したいのが「オンラインがオフラインに敵わないのは、オフラインと比較したときだけ」という回答。オフラインのものをオンラインで行うことでは物足りなさが生まれるが、全く新しいサービスがオンラインで実現されれば、オフラインとの比較にならないのではないかというものです。これからオンラインサービスを生み出すときのひとつの視点として、持っておくとよさそうです。また、オンラインによって初めてオフラインの良さを実感したという、満たされないことを肯定的に捉えている方もいらっしゃいました。お友達とマスク無しで笑える日が、早くくることを、私も楽しみにしています。

【まとめ】
「あうんの呼吸」という言葉があるように、日本人は、人の心を察することが美徳とされてきた文化があります。オンラインは、この部分がとにかく苦手のようで、オンラインに抵抗のない人は想像力に長けており、この部分を自身で補える人、と言い換えてもよいのかもしれません。工夫と技術で補えるものを増やし、自身で補填しなければならない情報を少なくすることは、オンライン市場を拡大することに繋がります。その上で、弊社は、オンラインにしかできないもの、オフラインとの勝負の土俵には乗らないサービスづくりを展開していきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?