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『ふるさと納税』と『認定NPO法人への寄付』を比較してみた

ふるさと納税と、NPO等への寄付と、
両者とも、想いを寄せての寄付、という本質があります。

単純な『損得』で言えば、多かれ少なかれの『損』があります。

すぐ、マネーのメリット、デメリットを言ってしまうから、そんな目線になってしまいますよね。
分かる気もします。

もうちょっと踏み込んで計算してみました。
ややこしいことが多いので、ぼくとしても、ここにアウトプットしておくことで備忘録にしたいと思います。


冒頭の想いを寄せ合うイラストは、いぜむ|noteさんの作品を使用させていただいています。ありがとうございます。


①検討しようと思った経緯・・・

ちょっと本題に入る前に、この算数を始めようと思った経緯を書いておきます。

『ふるさと納税』は、返礼品のことだったり、地元への貢献の思いだったりで、かなり普及してきましたよね。
税制上はいかがなものかと思うところもありますが、
特に都心の一極集中を打破する制度として良い点は多いと思います。

寄付の気持ちも重ねたふるさと納税は、そもそも納税しないといけないお金を、どの自治体に納めるか?っていうものだから、分かりやすいし、踏み込みやすいですよね。

一方で、ぼくたちNPO等への寄付は、義務的なものは無く、思いっきり任意の行為ということになります。

そう考えると、どちらも、まずは想いを寄せて、自分のお金を払う行為ではあるんですが、
ふるさと納税は、義務(から始まる)。
NPO等への寄付は、完全な任意。
という圧倒的な違いがあろうかと思います。

近頃、NPO活動へ寄付することを前提にした『ひも付きのふるさと納税』が普及しつつあるようで、違和感を感じています。
(まだ、これといった制度があるわけではないです。今後の進んでいきそうな雰囲気として、です。)

というのも、NPOへの『ひも付け』になるということは、本来の税収がその分減るわけですね。また『ひも付け』の割合の問題もあろうかと思います。そうした新たな事務に係るマージン(人件費、事務量、中間業者等)も勿体ないように思います。

そこで、
お金を払う側からして、圧倒的なチカラのあるふるさと納税に対して
対抗できる制度としてあるのが、
『認定NPO法人制度』です。

認定NPO法人とは、
NPO法人の中でも、多くの寄付者が居たりして、社会的にも認められるだろうNPO法人を『認定』したうえで、
その認定NPO法人への寄付は、『税金の控除』になる、というものです。

つまり、納税するよりも、自分の気に入った認定NPO法人に払った方が良いよねっていう制度です。


以前、ぼくが書いた記事です。参考まで。

ただし!!!

世の中、そんなに甘くはありません。
寄付した全額が、税控除になるわけではないんですね。

この点が今日の本題です。


②先にお断りを

細かい話になりますが、正確性を期すために、先にお断りをしておきます。

これから書いていく、
ふるさと納税も、認定NPO法人への寄付控除についても
『限度額』があったりします。

また、税控除と言っても
『所得控除』と『税額控除』があります。

所得控除は、所得に対して控除額が増えて、手取りが減るという感じです。
税額控除は、納める税金そのものを減額してもらえるというものです。

また、法人でのものや、相続でのものなど、様々ありますので、ご注意を。

この記事の記載は、個人での一般的な納税・寄付の感じで書いていますので、予めご了承ください。
なお、分かりやすいように『税額控除』を基本として記載します。


③ふるさと納税のおさらい

ふるさと納税は、税金を好きな自治体に納めれる上に、返礼品ももらえてラッキー的なイメージもあるかもしれませんが、
ちょっとだけカラクリがあります。

改めておさらいしましょう。

総務省のこの図解が一番分かりやすかったです。
総務省|ふるさと納税のしくみ|税金の控除について (soumu.go.jp)

ふるさと納税した金額のうち、必ず、
2,000円分は手出し部分になります。
まぁ、言うならば、損をするわけです。

残りの金額が、税金の控除になります。
単純に『得』をしようと思うだけなら、ふるさと納税は選択しない方が良いでしょう。

ただし、
ふるさと納税制度の良くできているところは、
2,000円を除く額の税控除の部分が、所得税と住民税とに分かれて、全額が税額控除になるところです。

例示した方が分かりやすいですね。
1万円のふるさと納税をしたとします。

そのうち、2千円は、自己負担になります。
残る8千円の、税金が免除されます。

その8千円のうち、そもそもの国税の所得税部分の免除と、1年遅れでの住民税の免除とに分かれます。分かれますが、双方とも免除されます。(ここが仕組みのスゴイところです)



④認定NPO法人への寄付

認定NPO法人への寄付においても、税額控除があります。
所得控除との選択もありますのでご注意を。

基本的には、以下の計算式です。

(寄付金額ー2,000円)×50%=税額控除

注意が必要なのは、50%の掛け算は、地域によっては40%かもしれません。
50%のうち、40%が所得税、10%は住民税の免除になります。
10%部分は各自治体で決める部分ですので、確認を。


ここでも、『2,000円ルール』が出てきましたね。
寄付金額に、まずは2,000円を引き算します。残った額の半額が税金の免除になります。

最少額の単位で例示しますと、
認定NPO法人へ3,000円の寄付をするとします。
(3,000円-2,000円)×50%=500円
500円の税金が免除されます。

10,000円では?
(10,000円-2,000円)×50%=4,000円
10,000円では、4,000円の免除になります。

ふるさと納税に比べ、
自分が支払うべきお金が減るのは、ちょっと劣りますね・・・。


⑤ふるさと納税と認定NPO法人への寄付との比較

ということで、
ふるさと納税と認定NPO法人とに、それぞれ1万円払ったときの比較をまとめます。

ふるさと納税:8,000円が税額免除
認定NPO法人への寄付:4,000円が税額免除

ということです。

はぁ~、、、
圧倒的に負けた・・・。
という気もしますね。

でも!!!

認定NPO法人への支払った1万円は、確実に、目の前のそのNPO法人が大切に使用させていただいてる、ということに変わりはありません。
単純な損得勘定では計算できないかもしれませんね。
(もちろん、ふるさと納税も、その自治体が大切に使っている・・・はずです)



⑥目指せ!認定NPO法人!!

でも、やっぱり悔しいです。
納税は仕方ないとして、寄付金じたいを損得勘定では計れません。
頑張って!という想いが、寄付という姿に変わって伝わっていきます。

認定NPO法人になれば、ふるさと納税ほどの税額免除は無いにしても、寄付金から税額免除できます。

ふるさと納税の話題と並走するように、
『寄付文化』をもっともっと育んでいくこと。
『市民活動』の社会貢献や可能性をもっと膨らませていくこと。

こうした部分をもっと表現、実践していきたいと思っています。

実は、ぼく自身も、今年度、総額10万円ちょっとを様々な団体に寄付させていただきました。
ぼくにとってはとても大きな額ではあるのですが、とっても気持ちの良いものです。
各団体、とても頑張っています。
想いがあっても、ぼくの手足は動かない・届かない部分です。
寄付する側の気持ちになってみて、とても感じるものが大きくなってきました。

認定NPO法人に認められるには条件があります。

様々ありますが、最も難点の部分は、寄付者がいるかどうかで、
以下の2つのうち、どちらかでクリアしなければなりません。

●絶対値基準
3,000円以上の寄付者×100人以上

●相対値基準
全収入に対する寄付の割合が20%以上

この、どちらかを2年度続けてクリアする必要があります。
絶対値基準で言えば、2年の平均で良いそうです。
つまり、1年目20人、2年目180人でも良いようです。

相対基準の方が目指しやすい?と言えばそうでもないですね。

例えば、ウチのような小規模NPO法人でも、寄付以外で年間収入は100万円を超えます。
100万円のうち2割ということは20万円の寄付・・・ですね。
寄付20万円÷(収入100万円+寄付20万円)=16.7%
あれ?(笑)そうか、いただいた寄付は分母にも入りますね。
だから、寄付金25万円になれば、20%になりますね。

そう考えると、3千円×100人=30万円とそれほど変わりません。
収入を抑えていくというのは、本末転倒ですしね。


いずれにしても、応援していただける人を募っていきたいと思います。
2年度続けての実績が必要ですから、残りわずかですが、今年度からチャレンジしていきたいです。

最終的には、3,000円の寄付をいただける人を、100人以上!というのが目標です。
是非お願いいたします。

先日、図々しく、この記事を書いたところ、3名の方が寄付をくださいました。
とてもとても感謝しています。
ここで分かったことは、図々しくとも発信していくことだと認識しました。


どうぞよろしくお願いいたします。

西日本シティ銀行(0190)
徳力支店(256)
普通口座
3060259
NPO法人好きっちゃ北九州 理事長 入門真生

ちなみに、今年度の現時点での活動実績を記載しておきます。

地域愛の育みや、まちづくり・コミュニティづくり、防災。
ESD、SDGs、社会教育、ボランティア、環境、平和など、未来へのまちづくりの取組みなど。

活動対象は、3,744人です。
各地域の方々や子ども達などがこれだけの人数になりました。

『好きっちゃアカデミー』として連携した学生たちは、延べ232人・回です。
今年度の活動だけで純人数では66人です。

学生達は、その貴重な時間で活動にご一緒していただいています。
授業の単位なんかにはなりません。
バイトのシフトを調整して参加してくれています。
勉強や、バイトや、友達と遊ぶ時間を割いて活動にご一緒してくれています。
車を乗ってる学生はほぼいません。公共交通機関+徒歩で市内各地の活動場所に来てくれます。
交通費にも満たないときもありますが、毎回1,000円ずつをお支払いしています。
よって、学生達への支出だけで20万円を超えている運営です。

活動する学生たちは、活動を通じて、
より北九州への愛着を深めてくれています。
想いを寄せ合うことの素晴らしさを、
子どもを真ん中にした地域づくりを、
活動を通じて実感してくれています。


ちょっと、お金のいやらしい話になってしまいましたが、
応援いただけると嬉しいです。

認定NPO法人を目指しています。
どうぞよろしくお願いいたします。


今日もご覧いただきありがとうございます。


<1年前の”今日”の記事★>

おぉ!!コンポちゃーん!!!
ということは、今日で2年!?
わぁー!忘れてた(笑)ゴメン、コンポちゃん!!
コンポちゃんの記念すべき2回目の誕生日に、こんなお金の話を書いちゃった・・・(笑)
2歳になったコンポちゃんも元気ですよ!!


いただいたサポートは、NPO法人好きっちゃ北九州の活動費に、大切に活用させていただきます!!