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私が持っているもの

小学校を卒業した時も、中学を卒業した時も、高校を卒業した時も、みんな私を捨てないで、置いていかないでという感覚を覚えた。
卒業した帰り道の、自分がからっぽだという感覚。
今まで必死に守ってきた物がぷつりと切れてしまったような、そんな気持ちがした。
私が守っていたのは、クラスのカーストのルールだとか、誰からも嫌われないようにしていた雰囲気だとかで、自分のためのことは何一つなかった。
そのことに気がついたのは、初めて私の弱さを大切にしてくれる人に出会った時。
それまで、その場の雰囲気を守ることや、嫌われないように生きることしか考えてこなくて、私自身得意なことがなに一つないことに、わたしは自分がからっぽだと感じていたのだと思う。
空っぽな自分が嫌で嫌で、携帯に逃げて、愛されたい、愛されたいと呟く。
空っぽな自分をなんとかしないと、解決なんてしないのに。
ずっと、なにかに一生懸命な子や、得意なことがあって褒めてもらっている子が嫌いだった。
表では、みんなと同じようにその子のことを好きだと、すごいと言っていたけれど、心の奥底では憎かった。
これじゃ、わたし、幸せになれない。
空っぽな私を少しずつ満たして、私を認めてあげないと、誰かのことも認められない。
だから、心をちょっとずつ満たして、誰かに優しくするためにも、わたしはわたしが好きなことをしたい。
誰になんと言われようと。

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