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世界に求められる写真を撮ろう 〜お得さと承認欲求〜

 人はどんなものに【ファボ・いいね・♡】や【RT】をするのか考えた事はあるだろうか。

『承認欲求と自己顕示欲強すぎ〜〜〜』

そんな誰かの感想を聞いた事は無いだろうか。

ネット暦20数年の隠キャパリピのわたくしが、密接に関わり合うそれらを独自に考察していきたいと思う。(独学なので、専門的にはちょっと違うかもしれないが大体わかって頂けると嬉しい。)

 

1. リツイートっていいね👍

  

 人はどんな時に【♡】を付けるのか。

後でゆっくり見たい、ちょっといいなと思った、応援したい人だから、誰かに教えたいetc......大体はその辺りだろうか。

そして【RT】リツイートも♡とあまり変わらないが『共用性があるかどうか』がポイントになってくる。つまり大きな括りで『お得かどうか』♡もRTも大体これである。共用性とは『みんなにとってお得かどうか』と書くと分かりやすいかもしれない。

ここで言う『お得さ』とは有益さ、すなわち『面白い・便利で役に立つ・可愛い・綺麗・凄い・わかる・楽しい!』などの何かしら秀でたものやその複合である。これらが多いほど『お得』であり『自分という人間が♡やRTを押すに相応しいものだ』と自分の行動に意味を持たせ、自己を納得させる理由になる。

人間は行動に理由が欲しい生き物だ。RTするからにはお得であって欲しいものである。それが例え俺得であろうとも。


 ついでに言うと、人間は群れで生活する社会性の生き物だ。

社会性とは ① その社会一般に広く通ずる性質。 ② 集団をつくって生活しようとする人間のもつ基本的な傾向。 ③ 他人との関係や集団生活をうまくやっていく素質や能力。 社交性。

この社会性を根本に持っているので『お得で有益な情報を共有したい』『面白いから見て!』と【有益な情報を他人に共有する事が出来る=そんな自分も有益である】という自己顕示欲や自己肯定感を満たす事をRTと言う形でしている。

『自分の考えに近い』『自分はこういうものが好きだ』『RTした後に自分はそうは思わない等の考えをツイートする』それらも結局のところ自分はこういう人間ですよ、と言う自己紹介であり承認欲求や自己顕示欲の現れである。

つまり、絵を描いたり自撮りをしたり創作活動をするだけが承認欲求ではないのだ。RTや♡で自分のタイムラインを作っていくことも、社会的に立派な創作活動と言えよう。

 

2. 承認欲求ってそんなに悪いものじゃないんじゃない?

 


『承認欲求強すぎ』

『ドールを使った自己愛じゃん』


 ドールとのポートレートを撮り続けて4年経った頃に、匿名で不特定多数に言われた事がある。

自分の容姿や技術にどうこう言われるのはどうでも良い。しかし、ドールを手軽な人気取りの道具に使っていると思われるのだけは本当に嫌だし心外だった。個人の単なる趣味ではあるが、自分のお金も時間も体力も存分に使って沢山の苦労もしてドール撮影に本気で取り組んでいたからだ。

めちゃくちゃに悩んで考え、こう結論した。

『自己愛ってのはそもそも自分を殺さない為に人間に備え付けられた本能であり、自己愛が無かったらご飯も食べないし呼吸もしない。仕事もしない。ドールを撮る事が、呼吸や睡眠や食事と同列に並ぶならそれって凄い事じゃない?本能レベルじゃん。』

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自己愛や承認欲求について『人間大小あれど、誰でもあるものなのになぁ』と言う結論に至ったのである。そしてネットに『承認欲求強すぎ』とわざわざ書く事自体がその人のそこそこ強い承認欲求による行動だったりする。

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  ( ´∀`)< オマエモナー
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  (__)_)

そんな経験から、雑な承認欲求に見えない『広くお得な写真』を自分なりに目指すようになった。

 ここで『人間は社会性の生き物である』に戻りたい。

群れで生きる動物だからこその本能である

・その群れの中で何かしらの特技があり有益である。→自己肯定感
・群れの中で有益であることを理解して欲しい(認められると群れに必要なので安心である)→承認欲求・自己顕示欲

こう考えると人間という生き物の中に普通にあるものだし、悪いものじゃないんじゃない?むしろ必要やんけ。


 私の話で恐縮だが、私は自己肯定感がハイパー少ない人間である。意外に思われるかもしれないが、髪を綺麗に保ったり肌を綺麗にしたり美味しいご飯を作れるようにしたりする事で【毛並みが良くて肌触りが良く、調理も出来る生き物】なら群れの中で生きてもOKが出るんじゃないか?となんとか自分を認めているのだ。

人間に限らず、大きな括りで自分が良いと思う生物を目指している。そういう生き物モフりたいし。


3. お得な写真を考える

 

自分の承認欲求と、お得なものをRTしたいという人の自己顕示欲とを上手くマッチングさせたらwin winじゃね?というのが今回の記事のキモである。

 ここで『有益さ・お得さ』をどう写真に入れ込むかを考えていきたい。写真とは、どこまでも視覚情報である。匂いも音も無いし触れもしない。

ということは、パッと見で『これはお得である』と分からせなければならない。お得な写真って何ぞや?その答えは【共感とオリジナリティ】にある。わかる!と初めて見た!は違うものだが、どちらも人が欲しいものなのだ。共感は群れの中で安心して生活するのに必要な事で、オリジナリティとは自分には出来ないからこそ群れに必要だ!と言う思考に至るものである。

どう共感させ、オリジナリティを出すか考察してみよう。

・知人や有名人、知っているものや有名な場所やどこにでもあるような風景が写っている。

 人間はまず見たことある!知ってる!に共感しやすい。有名な場所もそうだが、自分の記憶にありそうな場所がいい感じに写っていると心地良く感じる。共感とオリジナリティの融合である。

と、ここで知らない人(無名の人物)など写真がプライベートなものになればなる程、共感性が薄れてしまうので注意しておきたい。他の項目でバランスを取って調整していく必要がある。

・美しい、綺麗、可愛い、構図が整っている。

 可愛いや綺麗は顔面だけじゃないぞ!手や足の仕草やポーズの美しさは造形に限らないのだ。無機物や道に美しさを見出す感性も自分に無い視点はオリジナリティを感じる。パッと見で色が綺麗!も大切。構図や画面が整っている見やすさや心地良さも大事なポイント。

・面白さ(色、リズム、光と影など)

 何に面白さを感じるかは人それぞれなんだけど、写真は光と影を写すものでその形を上手く使うと心地よく感じる。何かに見える影だったり、等間隔に並んだもののリズム感など。面白いは世界に溢れている。イマジネーションとユーモア大事。

・人がやってみたいことや考えていた事の具現化、わかりやすい、または凄く難解である。

 自分がやりたくても様々な理由で出来ない、お金や時間がない→それを具現化するのは共感を得られるオリジナリティである。わかりやすいテーマは共感しやすく、難解で情報量が多いものは『読み解く』というサービスがあえて付属していてお得だ。

・楽しい、悲しい等の感情をエンタメとして揺り起こすもの。

 最近、表情がくるくる動く動画だったり強い感情で見た人を揺り動かすものが好まれている感覚がある。表情があるものは魅力的で情報量も多い。


以上のことが、より良質で丁寧であればある程見る側にとって『お得』になる。

RTされないな〜と悩んでいるならば、単純に写真がプライベート過ぎたり独りよがりで丁寧さを欠いているんじゃないか?を疑ってみて欲しい。自分のセンスと世間の欲しいものとがズレているならば、大半の人にとってお得じゃないと言うことになる。

他にも色々あるけれど大体これくらいだろうか。どれかが飛び抜けていてもいいし、いくつか組み合わせた形で丁寧に作って出す。そして、丁寧に選び取るという作業を施されてストレスが無い良質な作品は見やすくてお得なのである。

そうやって丁寧に作ろうとする時必要なのが【教養と知識から来るアイディア】だったりする。人が思うお得さとは『自分では収集するのに時間がかかる知識を分けてくれる時短の存在』とも言えるんじゃないだろうか。

ちなみに、私の中で小説や漫画や映画などはかなりお得だ。

何億もかけられた2時間の映画、何日もかけて描かれた漫画も数分で消費してしまう、何年もかけて書かれた小説も一日で読み切ってしまう。人の人生の凝縮を楽しむ、なんて贅沢でお得な時間だろうか。写真も別の方法で丁寧に手をかけることで、それらに並ぶことが出来るかもしれない。


4. 写真がうまい、とは『カメラという機材を上手に動かせる技術』では無い


 SNSを見ていると『写真うまくなりてぇ〜』と言う叫びがよく見られる。私もよく言う。しかし、それらを機材で補おうとする考え方もちらほら見える。本当にそう思ってる?他にもっと出来る事ない?全部お金で何とかなる?よく考えて欲しい。

『機材さえ良くなれば思い描いた写真が撮れるのか?』

自分と同じカメラとレンズですげー写真撮ってる人を見付けてみて欲しい。自分には思いつかない構図、何でも無い場所で胸を打つ写真を沢山見て欲しい。ぶっちゃけ機材は悪くない。カメラの操作は押したら撮れるし、欲しい絵に必要な使い方は試行錯誤で覚えられる。

必要なのは『思い描いた写真・欲しい絵』を思い付くイマジネーションとセンスなのだ。それはお金では買えない。

『下手な写真をあげずに、良い写真しかあげなければ写真が上手い人になれるんよ!!!!!!!!』と前回の記事にも書いたが、良い写真を選べる技術とは人にとってお得な写真が選べる技術とも言える。

切り口が違うだけで前回の記事もまあまあ似たようなこと言うとる。

つまり写真がうまくなりたい、と言う叫びで私たちが欲しいのは【良いと思って貰えるものを選べる技術】なのではないだろうか。

自分が作るものでどこかの誰かに喜んで欲しい、これは当たり前の感情なんよ。


5. 最後に

 

人間という動物の群れは『世界』と言い換える事もできる。

自己愛や承認欲求と言われた私の写真も、カナダやタイや中国など色々な国のニュースサイトに取り上げられ続けているし写真集も出版できた。これはつまり世界の色々な人にとって『おもしれー女』にちょっとは成れているんじゃないかなと思う。

世界にとってお得な写真とは何かを考え、撮影前から選び、自分にとって大事で素敵なものを他の誰かも好きだと思ってくれるように適切に調整する。これは自分の好きを上手に食べやすく伝える技術だ。これって出来たらお得じゃないだろうか。世界から求められたかったら、世界の好みを知り自分から寄り添うのも必要なことなのだ。

人は誰かにとって有益でありたい、という気持ちがあるのを前提に自分にも他人にも自己顕示欲を認め、人が欲しいものや自分に出来ることを探り世界の欲しがる『共感とオリジナリティ』を作って出していこう。

そうした結果が、♡やRTというかたちになって現れるはずだ。悩みつつも楽しく承認欲求を満たしていきませう!



 


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