読書ログ:僕らはそれに抵抗できない 依存症は意志の強さと関係ない
以前読んだのですが、最近やめたいのにやめられない依存を感じたので、再読しました。
依存をやめるには
結論から言って、依存をやめるには、行動アーキテクチャが1番重要なようですね。
具体的には、①依存の対象から物理的に離れる環境を整備する、②依存行動を他の行動に置き換える、ことが有効。
つまり、誘惑から逃れられる環境整備に工夫を注がなければいけないのですね。
下手に欲望を抑圧するとその抑圧がさらに欲望を加速させるので逆効果。そのため欲望の対照を入れ替える、別の儀式に置き換えることが推奨されています。
また自分の意思として、「できない」という捉え方ではなく、「しない」という決断をすること。
私の依存行動に関しては、①やめたいアプリを削除し、②それをしたくなった時に他の行動をするよう置き換えたら、あっさり悪癖を辞められました。
あー、良かった。
依存の仕組み
そもそも依存ってなぜこんなに強い衝動をもたらすのでしょうね?
人間は何かに依存するのがデフォルトみたいなので、できれば悪いものに依存するよりは、比較的良いものに依存する方が健全ですね。
近年では、依存対象は、麻薬などの物質からSNSやゲームなどの行動になっています。
中毒になるのは意志薄弱か否かの問題ではなくて、スクリーンの向こうに「自制心をくじくことをなりわいとする人間が多くいる」ことが問題。
数年前、Facebookのトップエンジニアが、「現代の世界最高の頭脳は、SNSでいかに多くのクリックをさせるかに使われている」と、無駄な才能の使い方を嘆いていましたが、残念ながらそれが今の世界の在り方ですね。
依存が高まるのは、コントロール感、適時のフィードバック、徐々に上がる難易度、クリフハンガーがある時。自分が依存したいことに、これらを当てはめるといいのかもしれませんね。
子供と依存について
デジタルネイティブの子供たちが成長するとどうなるかまだまだ研究が十分になされていません。デジタル断食で、子供の非言語認知能力が上がった結果などを見ると、7歳まではスクリーンから離れた生活をしておいた方が良い。というのは多くの方がご存知でしょうが、現実問題、かなりチャレンジングな目標…。
「苦労の接種効果」を高めるためにも、出来るだけスクリーンタイムは少なくしたい。
これは予防接種みたいなもので苦労すると免疫ができる、その能力が鍛えられること。
ググればすぐにわかることも、自分で考えたり想像したりする力を伸ばすためには、自分で考えさせた方が良いらしい。
親が、近づきやすい態度、穏やかな態度、子供の状況を知ろうとする態度を保つと、ただスクリーンに対してNOというだけよりは、良い関係が築ける。
ゲームやスクリーンから切り離された時間を重視する文化を持つことが、1番の課題ですね。そういう私も、今、スクリーンに向かっているわけで…。
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