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国立長寿医療研究センター 島田裕之先生インタビュー④

インターリハ開発部です。

今日も私たちの記事を読んでくださいまして、ありがとうございます。

今回も、
国立長寿医療研究センターの島田裕之先生のインタビューを掲載します。

前回の記事では、認知症予防プログラム「コグニサイズ」を通した未来や、開発の過程におけるご経験などについてお話を伺いました。

今回は、島田先生ご自身にフォーカスして、島田先生のビジョンなどについて、話を伺っていきます。


Q、島田先生の仕事におけるエネルギーの源はなんですか?

私のエネルギーの源は、「コグニサイズ 」に取り組んでいただいた高齢者のみなさまから「よかったよ!」と言っていただけることです。


実際に臨床で人に接していれば、その人の症状が良くなったことなどが分かります。私は研究を通してなので、その実感はあまりありません。

「コグニサイズ」については、多くの方が実践してくださっていますので、その効果があることを期待して研究に取り組んでいます。

私のエネルギーの源は一つではなく、いろんな源があります。

その中でも、一番のエネルギーの源は、褒められることです。

特に、「コグニサイズ 」に取り組んでいただいた高齢者の人から「よかったよ!」と言っていただけるとすごく嬉しいです。

また、同業者の人から「この前のあれはすごいね!」と、私たちが開発したものを褒めていただけたら嬉しいです。

私にとって褒められることが一番の報酬です。

最終的には、誰かの役に立っていると思えるか。これが大事であると私は思います。

このことは、今の私もそうだし、昔の私もそうでした。おそらく、高齢者になってからの私もそうだと思います。

ずっと、「誰かの役に立ってるなぁ」という実感があること。これが生きていることであると思います。

今は仕事を通して貢献をしています。将来はボランティア活動で地域社会への貢献をするかもしれません。家族に対する貢献をするかもしれません。
これからも、何らかの活動して誰かの役に立ちたいと思っています。


Q、島田先生のビジョンを教えてください。


私のビジョンはたくさんありますが、最終的に達成したいことは、
「一人でも多くの人の役に立つ研究を成し遂げること」です。

このビジョンを達成するためのプロセスとして目標は、かなり具体的に設定しています。

研究というものについて、多くの人に誤解されていることがあります。研究というものは、何かデータがあって、そのデータをいじって論文を書いているようなイメージがあると思います。そのイメージは誤解なのです。

研究というのは、目の前の人、困っている人をどうにかするためにあります。

このことが研究の基本です。そのために研究をしています。
つまり、研究活動というのは、一般的に思われているようなすごく狭い範囲の活動ではありません。もっと広いものなのです。

「一人でも多くの人の役に立つ研究を成し遂げること」を達成するために、これからも研究活動に全力で取り組んでいきます。


Q、最後に、これから「コグニサイズ」や「コグニバイクホーム」に取り組むことを検討している方にメッセージをお願いします。

運動をすることは、認知症の発症を抑制するため、あるいはそのリスクを下げるために、非常に重要なものです。

その上で「コグニサイズ」は、エビデンスとその効果が確認された運動方法の一つです。ぜひ実践していただきたいと思います。

「コグニサイズ 」の一つとして、「コグニバイクホーム」というものがあり、開発の経緯をご紹介します。

「変形性膝間接症」をお持ちで、膝が痛く立って運動ができないという方が、「コグニサイズ」 の教室におられました。

その方は立って運動することができないので、一緒に取り組んでいるみなさんについていけませんでした。また、「コグニサイズ」を通して、体に十分な負荷をかけることができず効果が得られませんでした。

そのようなことがあり、どのような方でも安心して、安全に運動できるような機械が必要だということに至りました。そこで、インターリハ様にお願いし、共同で「コグニバイクホーム」の開発に至りました。

何か体の不調等でお悩みの方こそ、「コグニバイクホーム」を使っていただいて、適切な負荷で安全に運動をしていただきたいと思います。

その他にも、現在のコロナ禍においては、活動量の不足が将来の認知症の発症につながる可能性があることを、私は心配しています。

「コグニバイクホーム」を使っていただくと、皆さんにとっての理想的な負荷をかけて、運動ができます。

体の不調がない方であっても、「コグニバイクホーム」を使っていただいて運動をしていただくことをオススメします。




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