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#503 想像力とアクノレッジメント

コラムのための記事を探している時、ジブリアニメ「魔女の宅急便」の考察記事を見つけました。 

 記事の中では可愛い孫のためにおばあさんが焼いたパイをキキが配達した時、女の子が言った、「あたしこのパイ嫌いなのよね」との言葉に言及。

 この女の子はキキが昔ながらのオーブンとまきを使ってパイを焼き上げたことも、パーティーの予定があったことも知りません。観客およびキキとジジからすれば「こんなに苦労して届けたのに、なんてことを言うんだ!」と怒りたくなるほどの過程があったとしても、(嫌いなパイを)届けられた本人からすればただうんざりして、つい文句かつ独り言をこぼしてしまうことは、現実にもあることかもしれません。
 この女の子の言葉からは、シンプルに届け物をする仕事に対するリスペクトや気遣いを、反面教師的に学べるでしょう。もちろんこの時のキキのように、配達する人が届け物に特別な思いがある場合なんてそうそうないでしょうが、雨の中で濡れたりしながらも、誰かからの気持ちがこもったもの、はたまた自身が楽しみにしているものを届けてくれる人は、たくさんいます。少なくとも、「ずぶ濡れ」という目の前の事実を言うだけでなく、「雨の中、ありがとうございます」と簡単に感謝を告げてみてもいいはずです。

と書かれています。

 ここで大切だと思うのは、アクノレッジメントと想像力の両輪であるということ。アクノレッジメントとは、相手の行った行為に対して敬意と感謝をもち、それをポジティブな形で言語化すること。想像力とは相手がしてくれた行為の「過程」の可能性を探ること。その一部だけを切り取るのではなく、できる限り全体を踏まえて、物事を捉えること。

これは口で言うのはとても簡単。しかし、行うのはとても難しい。だから常に意識する。それが大切なのではないかと思うのです。


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