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#428 多様な教員、多様な価値観

 学校教育の中で、「多様性」という言葉が浸透しつつある昨今。児童・生徒の「個性」や「特性」を尊重する教育が求められていると言えます。

 しかし、学校という場は、児童・生徒の「ため」だけにあるのではない。学校職員にとって「学校」は職場であり、生活を維持するための大切な居場所です。

 多様性は、決して児童・生徒だけに当てはまることではなく、教職員を含めた学校全体で創造していく価値観です。児童・生徒の多様性が認められるためには、教職員の多様性が必要不可欠であると個人的には考えています。

 教師像というものがあります。社会が教員に求める「像」は、無意識的に、児童・生徒にも伝染し、「教師はこうあるべきだ」という固定観念を生み出します。

 学校教員の職務は、児童・生徒の健全な成長と学びを担保することであり、そのアプローチには様々。その使命に一生懸命になれる人であれば、その個性は今まで以上に尊重されるべきであると思うのです。

『「ゆったりとした姿勢で耳傾けて」吃音の教員志望者が模擬授業「安心と自信に」成果かみしめ』という記事を見つけました。

 記事の中では、滑らかな発音が苦手な、吃音(きつおん)のある教員志望の若者による模擬授業の催しについて紹介されています。

 「吃音」のある教師は、「教員に向いてない」と考えられていたのかもしれない。しかし、それはその人の個性。その個性をプラスに見れば、教壇に立って、児童・生徒に伝えられることは、たくさんある。

 教員は、自分の体験、苦労、事実を、児童・生徒の成長のために用いる仕事。教員の多様性が、学びの多様性をうみ、それが児童・生徒の多様性に繋がります。

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