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 幼い頃から「読書」を親に(ある意味では)強要されてきた私にとって

 本を読むことはある意味では「戦い」でした。

 一方、親が薦めてくる本は(今考えれば幼い私にとっては非常に難解なものばかりなのですが)、今となっては読んでてよかったなと思うものも多く、私の言語的能力を鍛えてくれたなとは思います。

 これは私の個人的な感覚なのですが、どれほど面白い本であっても、一番最初のページから面白いわけではありません。やはりストーリーというのは、その内容が進めば進むほど面白くなるわけで、特に上記のような状況であると、最初の30ページが勝負になってくる。

 夏目漱石の代表的小説「こゝろ」は、第三部の「先生の手紙」が最も面白いわけで、そこまで辿りつかないまま、挫折する人も多くいるでしょう。

 大人になった今でも、最初の30ページは、それなりの覚悟を持って読まないといけないなと思うのです。

 逆に言えば、幼い頃の経験則的に、名作と呼ばれる本であるならば、最初がどれだけ面白くなく、苦痛であったとしても、そのさきに「とても面白い」が待っているという期待感があるからこそ、その序盤を耐えることができるのかもしれません。

 しかし

 私には、なんとか読破したいが、未だ達成できていない本があります。

 それは、イギリスの女性作家、エミリー・ブロンテの「嵐が丘」。

 18歳、25歳、30歳の3回挑戦しましたが、どれも最初の30ページで心を折られています。

 これがなかなかの強敵。

 この作品は、幼い頃の読書の苦痛の記憶を呼び覚ます。

 その名作と呼ばれる作品を読破したい気持ちと、それを阻む最初の30ページに大きな葛藤があるのです。

 40代になったら、読めるのかしら。

 皆さんも、そんな経験ありますか?

 

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