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桜鬼

寝ていると何かじっと見られているような気配がして、目が覚めた。

窓の外の闇は、思いのほか軽やかで、ほのかに白んでさえいる。


外をよく見ると、きちんと身なりを整えた女が、風に揺れたかのように深々と礼をしている。

空にある月長石の淡い光に照らされて、見入る。


かと思うと、しばらくすると、あっけなく散ってしまった。


「家守綺譚」梨木香歩 からの連想

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