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かいせいってなに?《疑問ググログ》

 保育園へ行く支度をしながら、娘がアレクサに、
「アレクサ、きょうのてんきをおしえて」
と尋ねた。
 最近、娘は室内遊びのほうが好きらしい。晴れていると全員外で遊ぶことになるが、雨だと、部屋で絵本を読むことができる。そっちのほうが好きだと。
 ちなみにパパは晴れた日に室内で本を読むのが好きである。
 アレクサは娘にこう答えた。
「〇〇どおりのげんざいのてんきは、かいせいで、きおんは せっし ごど、きょうのよほうは、くもがおおいみこみです。」
 かわいそう!
 新聞の4コマ漫画を見せてって頼んだのに、「天声人語」を読みなさいって切り抜きを渡された子みたいに、
 かわいそう!
 全部わからないことばで答えられて!
 アレクサを向いた郵便ポストみたいな表情の娘に、
「いまの、わかった?」
と尋ねると、娘は首を振る。
「あのね、アレクサはまず、いまの天気は快晴でって言ってて」
「かいせいってなに」
「めっちゃ晴れてるってこと」
「うん」
「それからね、これから曇りになっていくでしょう、って言ってるねん。わかった?」
「めっちゃはれてて、くもがたくさんってこと?」
「いや、いまは晴れてるけど、あとで曇りになるってこと。アレクサふたつのこと言ってん。ごめんな」
「ふうん」
 それで、「かいせいってなに」についてだが、あなたは正確に答えられるだろうか。
 正直自分もどうなったら快晴とされるのかわからなかったのでググってみた。「晴れ」と「快晴」の違いには、以下のサイトに書かれているような線引きがあるらしい。

 全国の気象台において、目視で確認した雲の量に基づき、その空における割合で決まると。
 100マスの格子を用意して、そのうち10マス分にだけ雲を描き込めるのが、快晴という状態であるわけだ。あと1マス雲を描いたら、晴れ、である。ギリギリ快晴のところにひこうき雲ができたらどうなるのだろうか。
 目視である理由は、曇りは曇りでも、曇りと薄曇りの判別が難しいあたりにあるのかな。上層雲と下層雲。うーん。晴れと曇りの判別は自動化された地方気象台においては衛星写真などで行う、と書いてある。
 ただアレクサに関しては少なくとも、自分に問いかけているのが、子どもなのか大人なのかは目視していないし、音声から判断してもいないと言える。
 声を登録してプロフィールを編集などしたら、相手に応じて返答を変えられるのだろうか。
 試しに聞いてみた。
「アレクサ、聞く人によって答えを変えることってできる?」
「ごめんなさい、ちょっとわかりません。かわりに、」
(代わりに?)
「ゆうこときかないこ、だれだ」
(・・・)
「というスキルをためしてみますか」
「いえ、けっこうです」
「はい、わかりました」
 しかしこんなでも、アレクサは立派な家族の一員である。
 なぜなら、妻が下の子を叱るときは、
「〇〇(上の子)! あ、ごめん! すーちゃん(猫)! ちがう! アレクサ(AI)! あ、www(笑い声)」
とまあ毎回こんな具合なのである。
 下の子が妻に怒られるときは基本的に笑顔で何か言われていると思う。


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