見出し画像

【ウルトラマン】ゾフィー兄さんについて

君は、ゾフィー兄さんを知っているか。
もちろん知っているな。
ウルトラ兄弟ナンバーワン。
宇宙警備隊隊長。
強い兄貴だ。
俺はそんなゾフィー兄さんが、たまらなく好きだ。

まさか知らない人はいないだろうが、ゾフィー兄さんの説明をしておく。
ゾフィーとは、特撮番組「ウルトラマン」の最終回に登場したウルトラの人である。
ゼットンとの戦いに敗れたウルトラマンを、光の国へと帰すためにやってきたのだ。

※奥の人がゾフィー

その後、ウルトラシリーズが続いていく中で、「ウルトラ兄弟」という設定がいつしか出来上がっていった。
ゾフィーはそのウルトラ兄弟の長兄として位置づけられ、弟たちのピンチを救うために、幾度となく地球へとやってくることになるのだった。

また、ゾフィーは、ウルトラ兄弟らが所属する宇宙警備隊の隊長でもあり、その胸部には、ウルトラの国で素晴らしい功績を残した者に贈られる「スターマーク勲章」が、両肩には宇宙警備隊長の地位を示す「ウルトラブレスター」が燦然と輝いている。
詳しくは後述するが、彼の必殺技として名高い「M87光線」は、87万度の超・超高熱に圧縮された光波熱線であり、ウルトラの国で最強の威力を誇っているのだ。

…と、ここまで説明して、ゾフィー兄さんのことをわかっていただけただろうか。
ここまで文量を費やしたのは、ゾフィー兄さんは他のウルトラ戦士と違い、
「この番組を見れば、8割方わかる」という物が、残念ながら無いためだ。
そう、これだけ設定がモリモリあるにも関わらず、ゾフィー兄さんは、自らが主人公となる番組を持っていない。
完全にサブキャラクターなのだ。
(※一応、ウルトラマンZOFFYという映画はあるが、主人公?主人公なんだけど、総集編みたいな映画なので微妙だ)
それなのに、少しでもウルトラマンを摂取した者なら(良いイメージか悪いイメージかは別として)誰もが知ってるウルトラの戦士。
不思議な存在感を持った兄さんなのだよなあ。
今日はそんなゾフィー兄さんについて解説しながら、俺の思うところをつらつら書いていくことにする。

昭和の不遇なゾフィー兄さん

設定上はつよつよのゾフィー兄さんだが、実際にはよわよわだったじゃねえか!とお思いの方もいるだろう。
特に、昭和ウルトラシリーズの客演回を見た方にはそう思われがちだ。
だって、実際そうなのだ。
昭和時代、ゾフィー兄さんの戦績はボロボロなのだ。
「エース」ではヤプールにハリツケにされ、ヒッポリト星人にブロンズ像にされ。
「タロウ」ではバードンに頭を盛大に燃やされた挙句、死ぬ。(しかも野ざらしのまま放置される。悲惨の一言である)
その印象が強く、登場したらまず負けてるようなイメージを持っている方がいるのも仕方がない。

ただ実際に全体をとおして見れば、登場=負けとは限らないのだ。勝つ時は勝っている。
しかし、その時も兄弟と力を合わせて勝っていたり、主人公のサポートに徹していたりと、単独でのカッコいい勝利シーンがないのは確かだ。
「エース」の第23話に至っては、「逆転!ゾフィただいま参上!」というカッコいいサブタイトルから、本当にただ参上して、移動に手を貸しただけで、何もカッコいいところがないまま終わるのだ。拍子抜けもいいところである。
「タロウ」のテンペラ―星人回においては、ウルトラ兄弟が地球でバーベキューをする微笑ましいシーンで、1人だけ遅刻してバーベキューに参加させてもらえない。セブンに「ゾフィーのことなんかいいよ」と言われる始末だ。扱いがぞんざい!しかも呼び捨て!

一方、放送当時の雑誌(主に『小学○年生』という学習雑誌)においては、ゾフィー兄さんに対する過剰な持ち上げが行われていたという。

ゾフィーはウルトラきょうだいでさいきょうだ。
M87こうせんはむてきのいりょくだ。
マッハ10でとべるので、とくだ。
バードンとたたかったときには、光のくにからいそいできたのでエネルギーがへっていたのだ。

概ね、現行戦士に次ぐか、それ以上の強さがある、といった紹介がなされていたようだ。
どうやら、どれだけ盛ってもいい存在として扱われていたらしい。「グリッドマン」の宝多六花のふとももみたいですね。

また、「ウルトラマンレオ」の終了後、学年雑誌では「ザ・ウルトラマン」という漫画作品が連載開始された。
これは内山まもる先生の傑作漫画で、ウルトラ兄弟とオリジナル敵星人との戦いを描いたものだ。
以前、軽く触れた記事を書いたことがあったので、こちらもご参照ください。

この漫画の中でもゾフィーが主役を務めることが多く、兄弟たちからの信頼も厚い、優れたリーダーとして活躍している。
当然、M87光線は、ウルトラ兄弟最強の必殺光線として皆に頼りにされている。

このような雑誌を読んで育った当時の子供たちは、ある種矛盾した状況に陥ったのだろう。
テレビでボロ負けするしょんぼりゾフィーと、
誌面で披露されるカッコいいゾフィーと、
いずれを信じればいいのか?という。

この情報の乖離によるジレンマこそ、昭和ウルトラシリーズと共に育った人々の中のゾフィー像が、人によってブレブレである理由なのだろう。

平成以降のカッコいいゾフィー兄さん

さて、平成のウルトラシリーズにおいては、ゾフィー兄さんの扱いはどうだろう。
平成前半の映像作品では、実はあまりゾフィー兄さんの出番は無かった。
ティガをはじめとする平成1期シリーズでは、基本的に光の国のウルトラマンたち(ウルトラ兄弟など)とは絡みがないような感じで展開していったからだ。
平成2期においても、光の国設定がようやく復活したのは「マックス」からで、歴代ウルトラ戦士の客演が実現したのは、さらに「メビウス」になってからだった。
かくいう俺、いぷしろも、光の国設定が途切れた期間で一度ウルトラを離れ、「メビウス」で帰ってきた男である。
やっぱりウルトラシリーズは、過去作との繋がりがあってほしいなあ…というのは個人の感想です。

さて、その記念すべき「メビウス」においては、ゾフィー兄さんに対するリスペクトが溢れていたことを特筆しておく。
42話「旧友の来訪」では、人知れず宇宙の果てで戦っていたゾフィー兄さんと地球人との邂逅が描写された。
円盤群をM87光線で一掃し、人類への期待を語るゾフィー兄さんの姿には、久々に見れたこともあって目頭が熱くなったのである。
また、最終回ではサコミズ隊長と一体化し、メビウスと共にM87光線でエンペラ星人を撃破した。
ゾフィーのぐんぐんカットが見れたのは、この時が最初で最後じゃなかろうか?
劇場版においても、光の国から兄弟たちを助けにタロウと共にやってきてくれたが、この時の嬉しさと安心感と言ったら!
劇中で、「最強のウルトラ戦士は?」という問いに対して「ゾフィー?」と真っ先に名前を挙げられたのも、隠れた優遇ポイントじゃないかと思う。

ウルトラマンゼロが初登場した映画「ウルトラ銀河伝説」においても、ゾフィー兄さんへの配慮が感じられた。
ウルトラ戦士の誰も歯が立たないウルトラマンベリアルに対して最後まで善戦した。まあ負けたけど。
加えて、ジャック・エース・80の合体光線すら一蹴したベリアルが、ゾフィー兄さんのM87光線に対しては「ギガバトルナイザー」(無敵の棒)による回転を使用してようやく防御したのだ。
兄弟たちの中でも頭一つ抜けた存在なのだ、という点をアピールしたかった製作陣の気持ちが伝わってくる。

「ウルトラマンオーブ」においては、オーブの強形態「サンダーブレスター」に変身するためのカード、2枚のうち1枚として力を貸している。
『光と闇の力、お借りします!』
もう1枚のカードが闇を体現するあのベリアルであることを考えれば、ゾフィー兄さんは光を代表する存在としてチョイスされたということである。さすがゾフィー兄さんだ。※まあ、ベリアル要素が強すぎるような気もするけど…ゾフィー兄さんもうちょっとがんばってほしいけど…。

その他、漫画作品の「ウルトラマン Story0」では、ほぼ主役と言っていい扱いをされている。
ゾフィー兄さんファンもそうでない人もぜひ読んでほしい、素晴らしい漫画だ。
そういえば、黒歴史小説作品「ウルトラマン妹」でも、直属の部下トラマンが登場していたような気がするな。
読み返す気力はもうないけど…。

ここまで述べたように、平成のゾフィー兄さんは、昭和時代の不遇さを取り戻すかのように活躍していた。
令和となった近年も、「ウルトラギャラクシーファイト」などで、兄弟たちと共に戦っている姿が確認できる。
今後も、彼の輝かしい活躍に期待するものである。

M87光線

ゾフィーの必殺技「M87光線」について。
Mとは奇跡(ミラクル)のM、87は87万度というその光線温度を表す。
奇跡の87万度砲、それがM87光線だ。
ウルトラオリンピックで、それまでウルトラの父が記録した80万度が最高だったのを、ゾフィーが一気に更新したのを讃えて命名された技名だとか。

単独で撃てる光線技としては、ウルトラ戦士最強と言われている。
「単独で」という注釈がついているのは、
ウルトラ5兄弟の力を合わせてエースが放つ「スペースQ」
ウルトラ6重合体をしたタロウが放つ「コスモミラクル光線」
などがあるからであろう。
しかし、ゾフィーは常に力をセーブしながら、M87光線を放っているという噂もある。
曰く、全力で放った場合、周辺にダメージを与えかねないからだとのこと。
メビウス劇場版でUキラーザウルスの巨大触手を切断した際も、10分の1程度の出力だったらしい。
では、全力を出した場合どうなるのか?
その答えが、博品館劇場「ゾフィー編」で明らかになった。
ウルトラ5兄弟に体を後ろから支えてもらい、反動に耐えながら、全力で放つM87光線。
それこそが
「ビッグM87光線」(発音は「ビーッグ!M87光線!」)
であり、ニュージェネレーションヒーローズが全員融合したウルトラマンレイガが倒したあの邪神魔獣グリムドを、跡形もなく消し飛ばしている。
そ、そんなに強いの?
盛りすぎじゃない?

さすがのいぷしろも少し引くくらいのこの博品館劇場「ゾフィー編」
どこまでゾフィーの強さを盛れるかギリギリチャレンジをしているような凄まじいショーなので、ぜひ機会があれば見てみてほしい。
内山まもるリスペクト度もかなり高い。(「ビッグM87光線」も元々は内山先生の漫画からなのだ)
ツブラヤイマジネーションとかで見れるよ!




えー、ごほん。
最後に、実はこれが本題なのだが。

最近のM87光線、ちょっと迫力が足りなくないですか!!!???

あのさあ!
M87光線のモーションの中の、撃つ前に右腕を振りかぶる「溜め」、
最近なくなっちゃってるの、なんでなんですかね!!!!!

「ウルトラ銀河伝説」あたりまではちゃんと、胸に両手を構える→右腕を振りかぶる→右腕を突き出して撃つ だったのにさあ!

胸に両手を構える
右腕を振りかぶる(溜め)
右腕を突き出して撃つ


「ウルトラマンギンガS」では、胸に両手を構える→右腕を突き出して撃つ になっちゃってるんだよ!!!
これじゃあ、威力も弱そうに見えちゃうよ!

八つ裂き光輪とモーションが被るからなのかなあ!
だったら八つ裂き光輪の方を変えろよ!!!!(強火意見)

今後、ゾフィー兄さんが映像作品でM87光線を撃つ機会があるなら、
ぜひこの「溜め」を復活させてください。
わしからも頼む。



さあ、それでは君も共に「星の伝説」を高らかに歌ってお別れと行こうか。

憧れのゾフィー♪

ゾフィー♪

ゾフィー♪

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?