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Ian J. Goodfellow et al. : Generative Adversarial Nets

Advances in Neural Information Processing Systems (NIPS), pp.2672-2680( 2014)

中山英樹(東京大学大学院情報理工学系研究科)

※本記事のPDFは情報処理学会電子図書館に掲載されており、情報処理学会会員は無料で閲覧できます。(http://id.nii.ac.jp/1001/00201063/

創造的活動とコンピュータ

 絵画や音楽,小説等を創作する力は,人間を特徴づける最も重要な能力の1 つと古くから考えられてきた.これを計算論的に実現する技術はコンテンツ生成と呼ばれており,1950 年代から始まる長い研究の歴史を有する.しかしながら,コンテンツ生成は情報科学的な観点からは非常に難しい問題である.たとえば,リンゴの画像を生成する作業は,「リンゴ」という概念を表す符号のみから無数に存在し得る高次元のパターン情報(画像)を推定するプロセスであり,本質的に不良設定な問題である.このため,深層学習が認識問題において大成功を収めたあとも,コンテンツ生成の実現は相当先であろうと考えられてきた.

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