見出し画像

Geoffrey E. Hinton, Simon Osindero and Yee-Whye Teh : A Fast Learning Algorithm for Deep Belief Nets

Neural Computation, Vol.18 Issue 7, pp.1527-1554(July 2006)

川上 玲(東京大学)

※本記事のPDFは情報処理学会電子図書館に掲載されており、情報処理学会会員は無料で閲覧できます。(http://id.nii.ac.jp/1001/00191204/

深層学習のもとになった?

 深層学習(deep learning)への大きな注目は言を俟たないが,そのきっかけはこの論文であると考える人は多い.Ian Goodfellow らの(恐らく世界で最も使用されている)深層学習の教科書[1]や,学術的な解説記事にもそのような記述がある.しかし,この論文の原著を読んだ人は少ないかもしれない.なぜなら,深層学習が爆発的に広まったのは,Krizhevsky, Sutskever, Hinton の2012 年の画像分類コンペでの優勝[2]あたりからであり,今ではこの論文(とこれに続く事前学習のシリーズ)のテクニックはあまり利用されることがないからである.そこで,この技術的なギャップを紐解くべく,この論文の内容,貢献,およびその後の展開についてお伝えしてみたい.

ここから先は

3,459字 / 1画像
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?