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「とんこつまぜそば」の開発秘話を大公開!~商品開発・平田正志さんインタビュー~
皆さんこんにちは。一風堂公式note編集部です。
9月11日にスタートした季節限定ラーメン「とんこつまぜそば」、皆さんもう食べていただけましたでしょうか? おかげさまで大変ご好評をいただいており、リピートされている方も多くいらっしゃるようです。
平田正志さんのプロフィール
今回は、この商品開発を担当した、一風堂の商品開発本部・平田正志さんにインタビューを行いました(※この公式noteでは、自社のスタッフでもあえて敬称で書かせていただきます。ご了承ください)。
平田さんは2004年入社。2008年のIPPUDO NYオープンを機に海外赴任となり、ニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポールと、海外での一風堂躍進を支えてきた立役者でもあります。昨年日本に帰国し、現在は国内一風堂の商品開発やブラッシュアップに力を注いでいます。「とんこつまぜそば」のこだわりや、海外でのエピソードなど、いろいろ尋ねてみました。
「とんこつまぜそば」商品化の経緯
_まずは「とんこつまぜそば」の開発経緯について教えてください。
●平田:ポスターにも書いてあるけど、セブン-イレブンさんで販売している一風堂監修の「とんこつまぜそば」があって、毎年好評なんですよね。で、お客様からも少なからず「お店にもあるの?」「お店でも食べてみたい」という声をいただいていたので、それなら本当に作ってみようかというのがきっかけです。
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_普通は逆ですよね? 珍しいパターンだなと。
●平田:細麺で豚骨のまぜそば自体が珍しいから、一風堂で挑戦する意義があるというのが一つ。あと今年はコロナの影響もあって、一部の店舗で出前館やテイクアウトのサービスも導入し始めたんだけど、そういう意味でも汁なしのまぜそばは相性が良いという発想もありました。コロナがなかったら生まれなかった商品かもしれない。
![とんこつまぜそば_20_821_008](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35651146/picture_pc_64e346c1da11250bbbf45342f7b4853a.jpg?width=1200)
_どんなところにこだわったんですか?
●平田: 酸味、塩味、旨味、甘味とか、いろんな味があるやん? その味のバランスはすごく大事にしたね。まぜそばは油が多いイメージがあるから、特に女性の方は敬遠されるかもしれないと思って、酸味をプラスして少しサッパリ感を出したのと、見た目のきれいさにもこだわりました。食べ終わった時にどんぶりがカラになって底が見えるものにしたかったので、理想はセットでご飯まで食べてほしいですね。
_細麺ならではの難しさもありそうですね?
●平田:そう。麺と絡みやすくなるように一番調整したのが液体量ですね。基ダシ、お酢、背脂、豚骨スープ、この4つを足したところの液体量が大切で、少ないと麺に絡まないし、スープが多すぎると今度は麺がのびる。ここは相当考えて何パターンも試して、ベストな状態にできたかなと思います。最初からグルッとかき混ぜて味をなじませてほしいですね。
![とんこつまぜそば_20_821_009](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35651176/picture_pc_b3d38a9c37418dd90fc4e030bb6f426a.jpg?width=1200)
_別皿のふりかけも特徴ですよね?
●平田:カップの方でもふりかけがあるんだけど、店で出したものは全くの別もので新たに考えました。作り方は企業秘密なので細かくは伝えられないけど、一風堂が長年かけて開発した香油を使ったチップを入れて、あとは油分ばかりにならないように胡麻やあおさを入れたりして。麺に入れてもいいし、ご飯にかけてもいいし、好きなように食べてほしいですね。
![とんこつまぜそば_20_821_011](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35651194/picture_pc_27aca831abd6bb68d217c321bbf237ba.jpg?width=1200)
平田さんが振り返る海外ライフ
海外での生活も長かった平田さん。ニューヨークに始まり、香港、台湾、シドニー、ロンドン、パリなど、海外一風堂の立ち上げのほとんどに関わってきました。そんな海外での経験についても聞いてみました(写真はパリ1号店のオープン時。前列中央で手を挙げているのが平田さんです)。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35631697/picture_pc_75b74f1d3ce793d5f4f0b71f165165bc.png?width=1200)
●平田:海外の人って、答えがすぐ帰ってくるのね。美味しかったら、本当にキッチンまで来て「サンキューシェフ」「メルシーシェフ」って。あれはやりがいが感じられますよね。あとはシンプルに、一風堂を好きになってくれる仲間が海外でも増えていくのは嬉しかった。最初はお金のために働きはじめるんだけど、そういう風な思いが芽生えてくると働き方が変わる。お客さんのことを考えたサービスをしてくれるし、お店もきれいに保つようになるし、それを海外で実現できたのは嬉しかったですね。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35523891/picture_pc_384d359a4093b635cdb80f8bf11948b4.jpg?width=1200)
_ちなみに今日着ている「HIRATA BUNS」のTシャツ、これもちょっとしたエピソードがあるんですよね?
●平田:NYの一風堂で、餃子に代わるようなサイドメニューを考案しようということになって、チャーシューを挟んだバンズを開発したんですよ。マネージャーから「正志、これお前の名前付けて良いぞ」って言われて、現地の人が発言しやすい「HIRATA BUNS」って名前にしたんだけど、これがとにかくヒットして。多い時は一日850個くらい売れたね。そしたらいつの間にか他の飲食店でも「HIRATA BUNS」っていうメニューを見かけるようになったの(笑)。「揚げ出し豆腐」とか「肉じゃが」みたいに、普通の日本の料理の名前と思われたみたいで、その後ロンドンやスペイン、ポーランドでも見かけたかな。それでTシャツも作ったという。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35631667/picture_pc_8c19477ddc5578bb37ed4badd48d394a.png?width=1200)
ラーメン開発の魅力とは?
「とんこつまぜそば」を食べながらいろいろ話を聞きましたが、気が付くと完食。空っぽになったどんぶりを見て「これこれ! こういう感じを望んだと!」と嬉しそうな平田さん。最後にラーメンの商品開発の魅力を語ってもらいました。
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35523974/picture_pc_4b73fa846d2eb5af2d890fb9ca6a3a11.jpg?width=1200)
●平田:中華、和食、イタリアン、フレンチっていろいろ経験してきたけど、ラーメンが一番面白かったんだよね。足したり引いたり掛けたり割ったり、でもそれだけでは美味しくならない。奥が深いなあって。和食の職人さんからしたら「エッ?」と思うようなダシの取り方もするけど、その方が美味しかったり。それでいて最後は結局お客さんの好みやん? それがゾクゾクするというか、面白いところ。人の好みも時代とともに変わっていくし、だからこそ一風堂の理念である「変わらないために変わり続ける」が大事なんだなって思うよ。もっと美味しくできるように頑張りますので、ぜひ食べに来てほしいですね。
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