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2019年アルバムベスト

去年1年間がぼくのこれまでの人生で一番音楽にどっぷり浸かっていた期間な気がします。

2年前からはじめたレコードショップのバイトもある程度仕事をこなせるようになり、ルーツミュージック的な部分に触れながらも幅広く音楽を嗜むことができました。
とりわけ日本の音楽に関しては詳しくなった方だと思います。

さらには今しているバンドでの音楽活動。これまでは「ズカイ」というUSインディーを基軸としたバンドで、敢えてミニマルでメロありきのドラミングに専念してきました。曲を引き立たせる為の音の足し引きをしています。なのでパート:簿記 みたいなものです。

それに加え、昨年からは「Acidclank」のサポートや、新たなバンド「GOOCHICKS」もはじめました。
Acidclankに関しては、SPD-SXも駆使しながら、自分を音楽とリンクさせるためのあらゆる表現方法の模索に非常に苦しみました。ジャンルとしては個人的にサイケ、シューゲイザーが好きで、マッチする部分が多いのですが、それを生の音に落とし込み、ライブで見せるまでに苦汁を飲みまくりました。そこでも自分のプレイやセンス、あとはライブをやり抜くための体力も磨かれたと思います。気になる方はライブ来てみてください。いいバンドなので。
GOOCHICKSに関しては、こちらはソウル/R&Bに傾倒しているといった感じのバンドでして、ぼく以外全員天才です。デモを何作か作ってますが、感覚的に作りすぎて2時間で6曲作るトンデモ集団です。はやくライブがやりてえぜ。

ということであらゆるジャンルの3つのバンドでドラムに携わっていたことや、他にも大学の軽音団体でコピバンをしまくったこともあり、相対的に音楽に触れる時間が増えましたし、プレイに向き合うときの視点も単純に3倍以上になりました。
なので2019年は音楽に、より深く、さらに広く携わってきたとても濃密な1年でした。

そんな中、去年もたくさんのアーティストと出会い、たくさん楽曲を聴いてきました。
アップルミュージックの統計では1日平均4時間弱音楽を聴いてたみたいです。
というわけで、昨年とりわけたくさんリピートしたり、心に深く残ったアルバムを9枚にまとめてみました。(やっと本題な)

『燦々』カネコアヤノ
『U.F.O.F.』Big Thief
『MAGDALENE』FKA twigs
『VIVID』ADOY
『Escapes』Waater
『~~~』Ana Roxanne
『Brutalism』The Drums
『Down the valley』NOT WONK
『Origin』Jordan Rakei

(画像中央)
『燦々』カネコアヤノ
今年日本のアーティストで一番聴きました.
カネコアヤノとしての元々ある良さと、バンドセットで磨かれてきたものがマッチしてアルバム毎に相乗的に曲が洗練されてる感じがした。
あと歌詞もめちゃくちゃ好き。
7曲目の”セゾン”の「テーブルの上 雑に置かれた財布と鍵 丁寧な愛 油断した心に 安心するんだよ 不思議とさ」とか8曲目"光の方へ"の「次の夜には星を見上げたい ちっぽけだからこそ もっと勝手になれる」とか、すごく素朴な生活の隙間にあるきらきらした一瞬を切り取るハイセンスなところが魅力的すぎる。冬の物寂しい夜長にカネコアヤノが沁みるとはこのこと(?)

(画像左下)
『U.F.O.F.』Big Thief
正直Big Thiefっていうバンド名は全く聴いたことなくて、ピッチフォーク厨のうちのボーカルがめちゃくちゃ良いって言ってたのと、ピッチフォークの評価の高さを見て、聴いたんですが、想像以上によくてびっくりしました。フォークっぽい感じなのかなあと最初思っていたけど、歌やサウンドの隙間(ミックスも含めて)にどこか感じる哀愁というか枯れた感じがたまらなく良かったです。このバンドは”U.F.O.F.”以外にも今年”Two Hands”っていうアルバムを出してるんですが、それはより土臭い躍動感溢れる作品になっていて、それもめっちゃ良いんですけど、それとのコンセプト的な対比も感じられて良さが浮き出る感じありました。

(画像中央下)
『MAGDALENE』FKA twigs
先行でシングルカットされてた”Cellophone”の時点でいいアルバムになることは確信してた。苦しそうに歌い上げるそのうたごころの面でもう打たれるものがあったけれど、アルバムはその曲とは裏腹に、全体的にサウンドの壮大さに、耳が幸せだった、耳だけウユニ塩湖に来てた。聴くだけで心が洗われるとはまさにこのこと、

(画像中央右)
『VIVID』ADOY
ジャケ毎回嫌そうな雰囲気の顔だったのに今回あからさまに嫌そうな顔しててワロタです。前作通りドリームポップとしてのクオリティは保持しつつ、今回はリズムセクションにおける遊び心というか、アンサンブルの面で洗練されていて、既に好きなバンドだったからこそ、グレードアップされた形に胸打たれました。これからどんどん韓国インディーはやるんかな〜と思いを馳せたりもします。

(画像右下)
『Escapes』Waater
僕たちとルーツが被りすぎてます
早く対バンしてください
キャプチャードトラックスの申し子
前のEPよりももっと寄っててそんでサーフパンク感増してて推せるしノれる。6曲目のCrashとかライブで聴きたい、絶対踊れる。

(画像中央左)
『~~~』Ana Roxanne
主軸はノイズやシンセの音にありつつも、サンプリングされた音から、少し独特なエスニックな印象を感じました。ひっそりと佇む村の教会で静かにただ祈るような27分間はアンビエントとしての共通の項目は保持しつつも、曲として各々に色が見えるような雰囲気。繊細でありながらもリスナーへの説得力を損なわないクオリティで本当に良かったです。2019年聴いたものの中でも特にヘビロテした作品になりました。

(画像中央上)
『Brutalism』The Drums
バンドの目指すべき境地の一つかなと思った作品です。サウンド的にも音楽の方向的にも。まあメンバー1人しかいないんですが、、、
シンプルだけどめっちゃノれる、だけど作り手はめっちゃめちゃ考えて作ってる感じ。音で遊んでる感じ。展開の引き出しの多さ。何を取ってみても見習うべき所があって作り手としてワクワクしたのはもちろん、リスナーとしても単純な曲の良さ、とりわけポップさが光った印象です。アルバム全体を通してかねてからのサーフ感は微かに残しつつ、よりガレージに、ポップに展開されている点にグッときました。(語彙力)
(画像右上)
『Down the valley』NOT WONK
2019の上半期の時点でもうこれは1年間聴き続けるだろうなって確信してて、案の定でした。
NOT WONKってまずジャンルだとパンク、エモの類だと、ライブ観てもそうかな〜って思ったんですが、パンク特有の爆発して頂点突破するあのようわからんトランス状態みたいな多幸感、あの状態を本当に大事にしながら曲作ってるバンドなんだな〜と感じた。それはリリースされた時に曲聴いてもそうだったし、今年唯一みた全感覚祭でのライブもそうだった。引き込まれるライブにはちゃんと足し引きがあって、それはパンクにソウルやジャズの面を融合させたとかそういうものもあるだろうけど、それ以上に、このバンドが曲を大事に、音楽を大事にしてるからこその技だと思いました。みんなNOT WONK聴いて!!!

(画像左上)
『Origin』Jordan Rakei
これも2019上半期時点でドチャハマりしたやつ。
Toma MischやFKJは聴いたことあったので、存在は知っていましたが、ちゃんと聴いたのはこれが初めてでした。サウンドはめっちゃメロウでグルーヴィで踊れるけど歌がめっちゃソウルフルであ〜〜〜これがR&B(リズム・アンド・ブルース)かあって納得!ぼくはドラマーなので、特にドラムのビートとベースやシンセとの絡みがえちえちすぎて最高でした。これのLPまぁぁぁっっっじでほしいねんな。

というわけで昨年最も聴いたというか心に残ったアルバムを9枚挙げてみました。
これ以外にも心に残った作品はたくさんありましたが挙げるとマジでキリがないので割愛します。曲単位だと昨年のお気に入り50曲をサブスクのプレイリストでまとめてますのでもしよかったらそちらも聴いてみてください。ほな!


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