弁当屋とchatGPT
chatGPT、最初の頃は経済系の記事なんかで見るようになり、最近は一般向けのテレビ番組なんかでも取り上げられているのを見かけます。
私は情報としては拾う様に心がけていますが、正直その手の分野はさっぱり分かりません。
chatGPTは個人事業主の話し相手?
しばらく前にテレビでオードリー・タン氏と落合陽一氏の対談をやっていました。私は何故かこのお二人が好き。前線に出ている方には珍しく攻撃的な感じがしなくて割とマイペースな感じ。ちょっと構えてしまう様な政治の話も井戸端会議みたいに穏やかなテンポ。なのに実は深い内容だったりして何かクセになるんですよね。
その対談の中でAIの話しになった時chatGPT話題が出ました。そこでオードリー・タン氏が『講演の原稿がマンネリ化してしまうので、chatGPTを相手にラップバトルの様にやり取りをして違う切り口を見つけたりする使い方をする』と言う様な事をおっしゃっていました。(私の解釈なので正確な言葉ではない)
これだっ!
と思いました。それまではAIもchatGPTも、何だかハイテクだわぁみたいな感想。弁当屋に繋がる要素は無さそうだし。
『話し相手』として考えたことは無かった。これは使える。個人事業主って話し相手少なくないですか?時間的にも難しいし、お客さんや他の経営者には話し難い内容とかも多くて結局1人で悶々としがち。家族経営なら多少良いけど。
私達も仕事の合間の無駄話を結構大事にしています。互いの考えや、仕入れた情報を交換しながらふと思いついたアイデアや引っかかりを会話の中で冗談混じりに一旦広げていき、広がりきったら段々狭めていき実現可能な物に落とし込む。会話のやり取りをする事で考えがまとまって行くし、ぼんやりしていた考えが相手の情報がはまった瞬間、全容が見えたりする。『ラップバトル』ってこれの事かも。
夫婦だから難しい
でも夫の話し相手は私だけで良いのか。夫婦で仕事をしていると、良くも悪くも同じ目線になります。見るもの聞く物が同じだと段々、価値観や考え方も似てくる。それは同じ方向で進んでいくには大切な事です。でも、偏り具合も同じでは新しい方向性も見つかりにくい。
今までは、元々の性格や育った環境の違いなどから来る目線の違いが上手く作用してお互いヒントを見つけあって来ました。しかし、結婚して10年を過ぎ、少しずつお互いの考える事が分かるようになってきた。
出したアイデアがすんなり通る。持ってる情報が被る。これは、良くない。摩擦がなければブラッシュアップが出来ません。
プラスして、夫の興味がある分野に私が対応出来ないジャンルがある。これは以前から気になっていて完全文系の私は夫の好きなゲーム、ITなど理系分野は完全に戦力外。話しても分からないから夫も振ってこない。今までは、まぁジャンル的に活用し難いからと言い訳をしていた。
でも、せっかく夫の興味がある分野。本当に活用出来ないのか?今の時代、一見関係ない事が繋がりを持つ事もある。余裕があるならもう一つ仕事をしたっていい。なるべく広い範囲で情報や思考をブラッシュアップすることは無駄じゃ無いはず。chatGPTが新たな夫の話し相手になってくれるかも。
優秀な大学生の目線
という訳で『やってみん!』(三河弁でやってみなさい)と夫に催促。ずっと興味はあるけど忙しさを言い訳にやり出さないでいた夫もその気になりました。
一度エンジンがかかると早いのが夫の長所。次の日には『やってみた。すげぇっ!』とLINEが。
感想は『優秀な大学生』
だそうです。というのも以前、技術系大学の院生さんがアルバイトで働いてくれていました。彼らは優秀で自分達には無い知識が豊富。あと非常にフラット。作業などで効率が悪い部分の改善をしたい時、状況や問題点、求める結果を伝えると自分達には思いつかないような角度から提案が出たりしました。現場にどっぷり浸かっていると見えない俯瞰的な目線で答えてくれる。ただ、やはり経験値や実体験は伴わないので実際は難しい案もある。でも、それをヒントに夫が更にアイデアを考えたり条件を足すとまた答えを返してくれる。良い意味で当事者意識も薄いので答えが採用されなくても感情的にならず繰り返し問答をしてくれる。これ、結構大事。感情的になると論点がずれちゃうし会話も続かないので。
chatGPTはそんな優秀な大学生と同じように、夫の質問に面倒がらず客観的に返してくれる。しかも膨大な知識や成功と失敗のデータを元に。時間の制限もないから夜中でも相手してくれる!同じ内容でも質問の仕方で返答の深さも変わるので、こちらの質問する力量も必要ですね。
AIに仕事を取られるっ!なんて話しも聞きますが、考え方によっては万人が『優秀な部下を持つ上司』になり得るのかも。うちの様な小さな弁当屋に大学院レベルの社員が雇えるとしたら。現場作業が出来なくたって今までに無い方向に道が開ける可能性は充分有る気がしませんか?
私達が磨くべきは自分より知識量がある優秀な部下をいかに上手く使うか。意外と人間臭い部分なのかもしれませんね。
妻としては夫に新しい友人ができた様な気分。ちょっと微笑ましい。弁当屋とAI、どんな会話をして何を見つけるのか。報告が楽しみです。
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